大昔、日本人は、欧米人のように「キーボード」(タイプライター)に慣れていないからコンピュータ化が遅れている、などと言われたことがある。しかし、今や「キーボードじゃないとメールが打てない」などというと「おまえは原始人か」と言われかねない。ビジネスの現場にもスマホやタブレットが浸透し、PC市場が縮小する現在、10キー入力、フリック入力ができない社会人は、もうダメかもしれない。 だが、しかし! 30年以上慣れしたんだ「キーボード脳」には、どうしてもスマホやタブレットのタッチ入力になじむことなど不可能だ。スマホで「いま電車乗った」と打つだけで、山手線3駅通過できる自信がある。月面とヒューストンの通話以上の時間差だ。(<喩えがいちいち古い!) まあ、そんなわけで筆者は、タブレットでもちゃんとしたメールを打つときはキーボードを使っている。もちろん、最近の入力フロントエンドの予測変換はPCやMacの漢字変換よりよほど賢いと思う。連絡事項のやり取り程度なら十分だが、企画の話、提案や議論、長文の文書など、頭を使って文章を組み立てるようなときはキーボードを広げる場所を探してでもその方が効率的だし、間違いも少ない。 筆者のような、極端なキーボード派は少数だとしても、ノートPCの代わりにタブレットを持ち歩いているビジネスマンはけっこういるのではないだろうか。通常はスマホでメールやスケジュール確認、イントラネットへのアクセスで済ませながら、PCを開かなければならないようなときに、重たいノートPCではなくタブレット+キーボードのほうが便利だったりする。Surefaceなどはまさにそのためのデバイスといえるだろう。 筆者の場合、タブレットはNEXUS 7(2012年モデル)から本格的に利用しだした。そのときから使いやすいタブレット用のキーボードを探していた。ポイントは、・サイズ・重さ・使いやすさ・バッテリー容量だ。サイズは重要だと思う。携帯性や使いやすさに直結する要素だからだ。もちろん好みもあるが、タブレットに合わせたものや、専用設計になったものは携帯性やデザインに優れるが、キートップが小さくなったり使いやすさの面でマイナスとなりやすい。折り畳み式や特殊樹脂で丸めたりできるタイプもあるが、機構部分がこわれやすい、キータッチや使いやすさに難がある、といった問題もある。 重さについてはいわずもがな、だろう。ただでさえ、スマホやタブレット、下手をすればPCも持ち歩くのに外付けキーボードなどは軽いに越したことはない。 バッテリーについては、筆者はUSBの充電式をお勧めする。乾電池方式は、やはり重量が増す。キーボード程度の消費電力ならBluetooth通信を行っても充電方式であまり不便を感じたことはない。 筆者がNEXUS 7で最初に使っていたのは写真2のキーボードだ。電池式で、28cm×12cmとやや大振りだが、キータッチがよく使いやすかったので購入した。タブレットを立てかけるスタンド機構はついていないが、スタンドに変形するカバーを使っていたので問題なかった。 価格は確か4,000円前後だったと思う。量販店での購入だったため正確な値段を覚えていないが、タブレット用のキーボードは5,000円以上も普通で10,000円を超えるものも珍しくない。安いタブレットだと20,000円しないものもあるのに、キーボードに10,000円は出せないと思い、このときは価格もある程度重視して、なるべく安いものを選んだ。 ただ、使っていると、やはりサイズが少し大きいと感じることもでてきた。実際、カバンの中でいろいろひっかかたりして、ファンクションキーのキートップがとれてしまった。また、大きいわりには、右手用のシフトキーが省略されていて、これも不満の元となった。価格を抑えるため、キートップの数も切り詰めたのだろうか。
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