読者のなかには、高額なスマートフォンの新商品を「実質0円」で購入したことがある、という人もいるだろう。しかし、携帯電話料金の引き下げについて議論が交わされた昨秋の総務省における有識者会議で、大手通信事業者による販売奨励金の抑制が決定された。これによりNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクでは今年2月から「実質0円」や「キャッシュバック」をともなう販売をやめている。 一方で、かねてから市場では格安SIMサービスの認知度が高まるとともに、格安SIMと相性が良い“中古スマホ”市場にもユーザーの選択肢が広がりつつある。こうした状況で、その中古スマホ市場にはどのような影響をもたらすのだろうか。 業界最大手のゲオが26日、翌日にリニューアルオープンを控えた「ゲオモバイル アキバ店」にて、メディア向け内覧会を実施。同社のモバイル運営ゼネラル・マネージャーの森田広史氏に、中古スマホ市場の現状や今後について話を聞いた。■“実質0円撲滅”は中古スマホ市場に追い風となるのか?--- ここ最近、客層に変化は見られるようになった? 急激な変化ではありませんが、格安SIMサービスの注目度が高くなったことで、興味を持たれたお客様が来店されるようになりました。以前は30代、40代のITリテラシーの高い男性が中心でしたが、最近では客層が豊かになりつつあります。例えば、通信コストを下げたいという女性が増えました。ご両親に、あるいはお子さんにスマートフォンを買いたい、というお客様の姿も見られるようになりました。--- 大手キャリアが「実質0円」や「キャッシュバック」をともなう販売をやめたことは、中古スマホ市場にとって追い風となるのか?また、格安スマホの流行についてはどう考えている? スマートフォンの新規利用が減れば、中古で流通するスマホも少なくなるので、「実質0円」や「キャッシュバック」の廃止が必ずしも追い風になるとは言えません。ただMVNOのシェアが広がることで、中古スマホの需要も上がると期待しています。--- ゲオモバイルでは、この状況をどのように事業に活かしていきたい? スマートフォンの買い換えサイクルの短いユーザーの端末を買い取り、サイクルが長いユーザーに提供するという、一連の流れがつくれれば嬉しいですね。1~2年でスマホを買い換えていく方の受け皿となりたい。弊社としては、買い取ったスマホをしっかりとリファービッシュ(編集部注:中古端末を整備すること)して、市場に出せる流れをつくることが大事だと考えています。ちなみに中古市場では、販売から2、3年が経過したスマホでもニーズがあります。国内ではやはりiPhone、Xperiaといったブランドが人気。例えば「iPhone 5s」(2013年9月発売)は発売から2年以上経ちますが、依然として人気が高いですね。
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