「モバイルシアター(Spro2)」は中国のZTEが開発した製品で、昨年冬からソフトバンクセレクションが国内での販売をスタートさせた。本体に約5インチの液晶ディスプレイとAndroid 4.4によるプラットフォームを搭載したことで、まさしくスマートフォンのような使い心地と、アプリによる機能追加を実現している。ここまでなら、最近のガジェットとしてありえなくもない仕様だが、同機の場合はLTE対応の通信機能まで内蔵してしまったことが他製品と大きく違った特徴である。 LTE/3Gによる通信機能は本体にSIMカードを挿してアクティベートする。国内ではソフトバンクセレクションで取り扱われるアクセサリー商品となるため、購入はソフトバンクショップの店頭、またはWebから。本体価格は86,400円(税込)と、ポータブルプロジェクターとしては少し高価にも感じられるが、ソフトバンクのスマホを使っているユーザーなら機種代金と、スマートデバイスシェアによる毎月のデータ使用料金を足して毎月2,940円(税込)の分割支払い購入ができる。ただし3年の縛り期間が発生する。■LTE対応のモバイルルータとしてテザリング可能 では、モバイルシアターの基本的な用途を整理してみよう。まずは当然ながらプロジェクター機能。最大150インチ/1280×720画素の映像をスクリーンや壁面に投写して、HDMIでつないだPCやBlu-rayレコーダーなどからのさまざまなコンテンツを大画面に表示できる。また大画面に映さなくても、プロジェクター本体にも5インチの液晶ディスプレイが搭載されているので、映画や写真を手元でコンパクトに楽しめるコンテンツビュワーにもなる。 本体には6,300mAhの大容量バッテリーを内蔵。本体駆動用の電源としてだけでなく、背面のUSB端子につないだスマホやタブレットに給電ができるモバイルバッテリとしても役割を果たす。本体には16GBのストレージとSDカードスロット、イヤホン端子、スピーカーを装備しているので、少し大柄だがポータブルオーディオプレーヤーに活用する手もある。さらにはLTE対応のモバイルルータとしてテザリングができる機能も付いている。■ビジネスでプレゼンに活用も プロジェクターとしての機能や使い勝手について、もう少し深く掘り下げてみよう。まずはどんなソースが表示できるのか。 本体にはLTE/Wi-Fi経由でのネットワーク通信機能が内蔵されていて、Androidアプリも自在に追加できるので、例えばNetflixやApple Musicなど定額制の動画・音楽配信コンテンツのストリーミングを直接受けて単体で再生ができる。Android端末からのミラーリングにも対応しているが、同機はプロジェクター単体での通信から表示まで完結したかたちで対応できるので、Android端末のバッテリーを消費してしまうミラーリングよりも有利だ。 PCにHDMI経由でつなげばオフィスでのプレゼンテーションにも活躍する。さまざまなファイルは本体の内蔵ストレージ、またはUSBスティックに保存した状態から読み込める。デジタルカメラでSDカードに記録した画像も、そのままプロジェクターのスロットに入れて読み込んで、大画面に映せるのも便利だ。 本体の操作は天面のタッチディスプレイから直接行えるほか、Android/iOS対応の無料リモコンアプリ「Spro2リモコン」も提供されている。同じ宅内のWi-Fiルータに接続して、プロジェクターのメニューと同じ画面をスマホに表示しながらリモート操作ができる。レスポンスも快適だ。 本体の電源起動とプロジェクターのランプのオン・オフは別々に起動させる。ランプを点灯させるための物理的なボタンは搭載されていないので、タッチパネルを3本の指でスワイプするか、またはホーム画面のプロジェクター操作のウィジェットにあるオン・オフボタンをタップして切り替える。 5インチの液晶とプロジェクターの解像度はともに1280×720画素。プロジェクターの映像は、色温度調整をクール/通常/ウォームの3段階で変更したり、明るさも3段階で選べる。最大の明るさにするためには本体をAC電源につなぐ必要があるが、最も明るい150ルーメンの映像なら、昼間でも薄手のカーテンを閉めた室内で十分に映像が視聴できた。ただし、150ルーメンの最高輝度で投写する場合は、付属のACアダプターに本体をつないで給電しながら使う必要がある。そして本体のバッテリーを充電する際にもUSBからの充電は行えないため、外出先に持ち運ぶ際には念のためACアダプターを携行して出かけた方がよいだろう。
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