昭和31年に西陣帯工場として創業したミツフジは13日、東京ビッグサイトで開催中の「ウェアラブルEXPO」で、導電性繊維に関する展示を行った。 同社は昭和55年に導電性繊維の用途開発を開始した、銀メッキ繊維におけるパイオニア。80年代に西陣織が斜陽産業となる中で、新たな事業としてスタートしたものだという。当時は抗菌コートなどに利用されていた銀メッキだが、芯となるナイロンにムラなくメッキするのが同社ならではの技術となる。このため、電気抵抗が均一となり、センサーに利用しても高い精度が得られるとのことだ。 導電性繊維はそのままミシンで生地に成型することが可能。また、導電性繊維は織り方によってもパフォーマンスが変わるが、同社にはノウハウの蓄積があるため、オーダーに合わせたファブリックも提供できるという。肌触りや伸縮性、電気抵抗性などについてもカスタマイズが可能だ。 会場では同社の導電性繊維を利用した医療用ウェアが展示されていた。実際にフランスで販売されており、てんかん患者の症状を予兆するために利用されている。筋電位や心拍のセンサーが内蔵されており、それをBluetoothモジュールへと送信する配線や電極に、同社の導電性繊維が採用されたとのことだ。 この衣服は洗濯性についても試験済みで、家庭用洗濯で100回以上、ドライクリーニングで30回以上の耐久性が確保されている。肌触りはほとんど普通の衣服と変わらないので、より自然な形でウェアラブルデバイスを身に着けられそうだ。