--- ソフトバンクが東電と組んだ理由は? 逆に東電がソフトバンクに期待することは?宮内氏:東電は、電気の供給量が潤沢で安定している。また発送電分離といった新しいの取り組みを行ったり、リニューアル・エナジーのカンパニーも持っている。そういう意味では、経営刷新に真剣に取り組んでいる企業であり、なおかつ電力系で最大の企業でもある。東電と組むことによって、電力の自由化においても、経営上のプラスになるという信念を持ってアライアンスを組んだ。眞田氏:電力の自由化を迎え、我々も全国規模でのエネルギーサービスを展開したいと考えている。そのために全国ユーザーに向けての営業力や、電気以外を組み合わせた新しい付加価値の創造が行える点において、ソフトバンクが強力なパートナーであると期待している。--- 原発事故を起こした東電と、再生可能エネルギーを推進するソフトバンクでは考え方に矛盾があるように思うが、この点はどう思うか?宮内氏:大変な事故に遭われて東電も苦労しているが、電気の自由化であったり、安心・安全・お得に提供するためには、この電気は売るが、あの電気は売らないというような話にはならない。我々としては、FITでんきもSB POWER、SBエナジーで展開していくが、それですべてを賄えるわけでもない。そういう意味で、東電と手を組むことには何ら矛盾はないと思う。--- 東電とのブランドの関係はどのようになるのか?眞田氏:「ソフトバンクでんき Powered by TEPCO」という表記になる。メニューでは東京電力との契約になるが、その他のセットと組み合わせる場合に、ソフトバンクでんきというブランドを使うというように理解していただきたい。 --- 今回のソフトバンクでんきの発表によって、携帯電話の契約をどのくらい増やしていきたいか? 見込みの数値を教えてほしい。また電力サービスエリア拡大の予定は?宮内氏:内部的には目標はあるが、数字的には、やってみないとわからないところだ。ソフトバンク光は、毎月20万世帯ずつ伸びているので、電気についてもそれぐらい行くかもしれないが、まだはっきりとは言えない。サービスエリアについては、まず東名阪からスタートし、東電と組んで今期の半ばぐらいには全国ベースにしたい。どうしても東電では難しいエリアでは、他社とタイアップすることがあるかもしれない。--- 東電にお聞きしたい。本件は排他的な契約なのか? ドコモやKDDIとは手を組まないのか?眞田氏:詳しい契約内容については控えたい。全国レベルでの提携として、まずソフトバンクと組んだということ。排他的提携かどうかということも契約上から言えない。■バリュープランを投入する理由と、今後の店舗の在り方について--- なぜ、あえてバリュープランを出したのか? その狙いについて教えてほしい。馬場氏:先般発表したスタンダードとプレミアムプランは、一般向けと電力使用量が多いユーザー向けのサービスだ。しかし、ちょうどミドルレンジをカバーするサービスが不十分だった。このレンジは東京電力だけではメリットを出しづらい部分だ。バリュープランで特徴的な点は、ある一定量までは料金を固定しているが、それに達しない場合に通信データ量やポイントで還元し、ユーザーのデメリットを回避していることだ。こういうメニューは従来まではなかったものだ。電気料金と通信料金を融合するメニューをつくることによって、ミドルレンジのユーザーもカバーききるようになったと思う。