トヨタ自動車は2日、東京ビッグサイトで開催中の「2015国際ロボット展」で、開発中の生活支援ロボット「HSR」に関する展示を行った。 このロボットは障害者や介護が必要な高齢者を対象に、主にモノの運搬を用途として開発されたもの。イメージとしてはモノを取ってきてくれる介助犬に近く、実際に日本介助犬協会と共同で開発されたということだ。ロボットなら犬を世話する必要がなく、量産が利くため、介助犬とはまた違ったニーズを想定しているという。 構造としては全方位台車の上に、アームとカメラ、モニターを搭載したような形となる。バリアフリー環境に特化することで小型化を実現しており、重量は37kg。台車の直径は43センチと省スペースな運用が可能だ。 なお、トヨタ自動車 パートナーロボット部の池田幸一氏によると、障害者からは深夜に冷蔵庫のペットボトルを持ってくるといったニーズがあったとのこと。「体温調整が利かなった身体を冷たい水で冷やすというように、健常者の方とは違う欲求があります。この時にロボットがあれば人に頼むことなく、もっと気軽に水を持ってきてもらえるわけです」 会場ではARマーカーを認識して引き出しを開け、中にあるものを取りだすデモ映像が紹介されていた。ただ、これは現在ある中でも信頼性のある技術として利用したとのことで、将来的には様々な技術を使い、自動化を進めていく計画のようだ。 電源には内蔵バッテリーを使用し、動作時間は約2時間。充電はドッキング式のドッグを使って自動で行われる。