3つ目の強み、キーワードは「地元のヒーローだ。これは地域に密着したJP社員のこと。では、なぜJP社員が地元のヒーローなのか? 郵便局が創設された当時までさかのぼるという。明治時代の地方の名士たちがほぼ無償で地域の郵便局を立ち上げてくれた。「そのため、いま郵便局に勤める社員も地元生まれの地元育ちで、地域に密着しながら働く人がほとんど。誰もがどうしたら地域を盛り上げられるかという点を考えながら仕事をしている。そんな人的ネットワークを持っている点もJPの強みだ。」(中川氏)という。 JPの「地域のために」という点はいまも変わらない。中川氏は、具体的なJPの取り組みについても示した。たとえば「郵便局×生産者」のコラボレーションがある。地方の郵便局では、地元の生産者にスペースを提供し、特産品を売っている。「場所を貸すだけだが、お客様から大変好評で、開始後1時間ぐらいで商品が売り切れてしまう。生産者から見れば新たな販路の拡大に、お客様から見れば新たな楽しみに、郵便局から見れば来客の促進につながる。いわばWin・Win・Winの3方良しの施策になっている」(中川氏)。 もう1つの事例は「郵便局×自治体」のコラボレーションだ。これは郵便局の物流ネットワークによって実現できたもの。ふるさと納税事業のサポートとして行っており、返礼品の選定や発送、またカタログの作成、書類発送なども行っている。「地方自治体の負担を軽減するだけでなく、その地域の魅力を他の地域に伝える事業だと考えている」(中川氏)。 このほかにも、JPでは新たな取り組みもスタートさせている。それがJPの見守りサービスだ。地域に住んでいる高齢者の生活状況をJP職員が確認し、身内に伝えるというものだ。「郵便局×テクノロジー」としては、高齢者の1部に専用タブレット端末を配布した実証実験も進めているという。 最後に中川氏は「JPは自らのリソースを最大限に活用すべく変わり始めている。今回のイベントのように、小回りがきくチームも自分たちで編成できるようになった。他社との協業も含め、多くのことにチャレンジしたい。今度は“郵便局×あなた”で、あなたの夢を聞かせてほしい。そこから新しい地方創生の道が探せるかもしれない」と述べた。