走行シーンが動画で披露されると、集まった記者らは驚きを隠せなかった。なんとロボットが、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジペダルを操作し、バイクを自力で走らせているのだ。開催中の東京モーターショー2015。ヤマハ発動機は、モーターサイクル技術とロボティクス技術を融合したヒト型自律ライディングロボット『MOTOBOT』を披露した。同社は現在、バイクそのものに改造を加えることなく、ロボットの運転による200km/hを超えるサーキット走行の実現を目指して研究・開発を進め、すでに同社のスーパースポーツ YZF-R1の自動運転に成功した。開発は、ヤマハ発動機株式会社が新事業開発のためのテーマ探索・育成、事業化推進、および新たなビジネスモデル開発を目的に、米国カリフォルニア州シリコンバレーに設立した Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley Inc.で、おこなわれている。CEO マネージングディレクターのHiroshi Saijou 氏は、将来的な可能性として「マシン開発時のテストライダーとして見込める」という。どこが良かったのか、どこを改善するべきか、その結果・情報をビジュアライズし、定量化できるというメリットがある。そして、ロボットとしたことでで、さまざまな車両に後付けで対応できる。いま各社で研究が進んでいるクルマの自動運転は、クルマそのものを進化させようという狙い。しかしMOTOBOTの発想なら、既存のクルマ・バイク、マリンジェット、飛行機や電車などいろいろな乗り物を、大きな改造をすることなく運転できるという可能性も秘めている。とは言うものの、バイクの自動運転など面白くも何ともない。その点について、Saijou 氏にうかがうと。「その通りです。ではなぜ、バイクで開発しているか。それはバイクの運転がもっとも難しいからです。これが自動運転できれば、他の乗り物も大丈夫かと思っています」そう断言する。これはスゴイことになった。発進時は人間がバイクを押し、停車時は補助輪やアウトリガーに頼ることになるようだが、サーキットを速く走ることはできるのだ。また、ヤマハ発動機の柳社長は、サーキットにおけるラップタイムで、バレンティーノ・ロッシ(MotoGP ヤマハ ファクトリーライダー)に挑むとも。ヤマハはこの挑戦から得られる知見や高度な要素技術を、製品展開や新たな価値創造に応用していく。
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