セキュリティ関連機器を扱う企業の多くは、ショールームを持っていることが多いが、基本的に一般に開放していることが少なく、エンドユーザーはなかなか見に行くチャンスがないのが実情……。そこで本連載では、一般のエンドユーザーに代わって企業のショールームを訪問し、各企業の特長や技術を紹介していきたい。 第5回は、アナログからハイビジョンカメラ、4K解像度を誇る高画質ネットワークカメラまで多様なニーズに対応する監視カメラシステムをデモ展示するエスシーのショールーム(東京都板橋区双葉町41-5 メゾンワールド1F)だ。●低価格帯を実現できる理由 エスシーが取り扱う製品の特徴は、ハイビジョンや4K対応、IR機能搭載など、監視カメラ市場でトレンドであるスペックを有しながらも、低価格であるという点だ。 特にリプレイス需要により、近年、ニーズが高まるハイビジョンカメラに関しては、HD-CVIを筆頭に、アナログカメラと同様かそれ以下の金額で導入できる価格設定になっているそうだ。 低価格化を実現するために、国産メーカーの製品よりも価格面で優位性がある海外メーカーの製品を日本仕様にローカライズ。「大手のメーカーさんと比べて、うちは養う従業員が少ないので製品価格を抑えられています」と同社社長は語る。 同社のみならず、ここ数年、海外メーカーの製品を日本仕様にした監視カメラ関連の製品を扱う企業が増えているが、背景には海外製の製品が性能の向上に伴って、コストパフォーマンスが向上していることがある。実際、エンドユーザーからそうした声を聞くことは多い。 とはいえ、“安い”と言われると気になるのが、製品の画質や機能だ。同ショールームでは、その疑問を解消するために、実機による映像や搭載する機能を確認して、カタログスペックだけでは分からない特徴を体感することができる。 ショールームでは、同社の主力であるHD-CVI(ハイビジョン規格の1つ)のラインナップのデモ展示を軸に、HD-SDI、ネットワークカメラ、アナログカメラのラインナップを種類ごとにカメラ本体、録画機器、実映像などを展示している。●カメラの違いを比較できるショールーム 監視カメラは高解像度・高機能に越したことはないが、実際に導入する際には、コスト面が機種選定の重要なポイントとなる。誤解を恐れずに言えば、設置場所・用途によっては、4Kのような高解像度のカメラである必要はない。適材適所の言葉通り、従来のアナログカメラでも十分に役割を果たせることもあるからだ。 同ショールームなら、異なる解像度、異なる規格の監視カメラが、どのような画角で、どれくらいの画質なのかということを直接比較できるので、適材適所の監視カメラを選ぶヒントになる。 また、導入先によっては、アナログカメラ、HD-CVI、ネットワークカメラが混在するようなシステムを組むケースも出てくるが、エスシーではそうした事例を想定して、複数の規格を集約して一元管理できるDVR&NVRのラインナップを揃えている。 こちらもショールームに展示されており、どのような管理画面で、どうやって操作するのかといったことも体感できる。基本的に同ショールームは、販売店や施工業者などのビジネスユーザー向けとなるが、エスシーが出展する展示会イベントなどでは、ショールームがそのまま移動して展示されるため、エンドユーザーが直接見られる機会もある。 直近では、14日から16日かけて東京ビッグサイトで開催される「危機管理産業展2015」への出展(小間番号:2M24)が予定されている。