北極海の海氷は現在1日10万平方kmのペースで融解しており、海氷域の面積は観測史上4番目に小さい面積になっている。ウェザーニューズのグローバルアイスセンターは30日、2015年の北極海の海氷傾向を発表した。例年9月に記録される最小海氷域面積は昨年や一昨年より小さくなる予想だ。 また、大西洋と太陽とを結ぶ北極海航路については、ロシア側の北東航路が8月中旬、カナダ側の北西航路が9月初めに開通する見込み。両航路共に海氷域に入ることなく通行可能になるのは2年ぶりだ。 ウェザーニューズによると、現在の北極海の海氷は約700万平方kmで、1日に約10万平方kmのペースで融解しているという。この時期では、2012年、2007年、2011年に次ぎ、観測史上4番目に小さい面積となっている。 今年は昨年や一昨年に比べ、特にロシア沿岸での海氷の融解が進んでおり、カラ海西部やラプテフ海東部、チュクチ海ではすでに大半の海氷が融け、開水面となっている。また、カナダ多島海でも昨年以上に融解が進んでいる。 北極海の海氷面積は例年9月に最小となるが、今年は昨年より30万平方km縮小し、約450万平方kmとなる予想だ。今シーズンは、東シベリア海の海氷が後退することによって8月中旬にロシア側の北東航路が開通し、昨年は開通しなかったカナダ側の北西航路も9月初めには開通する見込み。 北極海の商業航海や資源開発の動きは年々活発になっており、ロシアのNSRA(北極海航路管理局)によると、今年、北東航路の通行許可を得た船舶はすでに500隻を超え、昨年の同時期を上回るペースで増加している。