セキュリティについて、その捉え方が近年変わりつつある。従来まではPCの動作に影響をおよぼすウイルスタイプのものが主流だった。これに対して、最近はクラウドサービスのIDを乗っ取りプライベートな情報を盗み取ったり、乗っ取ったIDを使って人をだまし、プリペイドカードを購入させるといった詐欺のような手法が増えてきた。こうした事案は、コンピューターに関する深い知識がなくても、IDとパスワードさえ入手できれば実行できるため、たちがわるい。被害者はパソコンユーザーだけではない。初心者にも普及しているスマートフォンやタブレットユーザーにも広がっている。 こうした背景を踏まえて、いち早く強化したセキュリティサービス提供するプロバイダーがある。中国地方にてインターネット接続サービス「メガ・エッグ」を提供しているエネルギア・コミュニケーションズだ。■セキュリティサービスにパスワード管理ツールをセット 実は以前より、プロバイダーがインターネット接続とセキュリティソフトをセットにしたサービスは存在していた。しかしながら、提供されるセキュリティソフトはウイルス対策には有効だが、近年横行しているIDの乗っ取りや詐欺的な手口にはあまり役に立たないものが多い。メガ・エッグで提供を始めているのは、「ウイルスバスター+パスワードマネージャー」というセット提供となるセキュリティーサービス。従来型のウイルス検知ソフトであるトレンドマイクロの「ウイルスバスター マルチデバイス 月額版」と、パスワード管理ツールの「パスワードマネージャー 月額版(以下、パスワードマネージャー)」を合わせたものだ。メガ・エッグの「光ネット[ホーム](ファミリーコース/ファミリーコースプラス)」「光ネット[マンション](ファミリーコース/ファミリーコースプラス)」「光ネット[ホームライト]」へ標準装備し契約したユーザーが利用可能。料金は、上記コースの月額料金に含まれている。 注目すべきは「パスワードマネージャー」だ。FacebookやAmazon.co.jpといった会員制サイトのユーザー名とパスワードを複数記憶し、マスターパスワードひとつで管理できるというものだ。このツールをプロバイダーが標準のサービスとして提供する理由について、エネルギア・コミュニケーションズ 営業本部の佐伯 豪氏は「LINEやiCloudなどでIDを乗っ取られてしまうトラブルが増えている現在では、インターネットに必須のツールとなりつつある。メガ・エッグのサービスをご利用いただいている限り、ウイルスやID乗っ取りの脅威からお客様を守りたい」としている。