ダイハツ工業の三井正則社長は10月30日に都内で開いた決算会見で、「主力事業を展開するすべての分野で抜本的な強化策を進める必要がある」とした上で、国内営業改革、新たな海外事業の展開、バリューチェーンの再構築に取り組む方針を明らかにした。三井社長は「国内の軽自動車市場における当社の想定を超える競争の激化。インドネシアおけるルピア安の継続ならびに主力カテゴリーにおける他社競合モデルの増加。そしてマレーシアの自由貿易化に向けた動きと他社の商品強化に伴う当社の優位性の縮小。これらの外部要因のいずれもが一過性のものではなくて、構造的かつ継続的な事象であるととらえている」との認識を示した。その上で「言い換えれば当社は主力事業を展開するすべての分野において、すでに着手している体質強化策に加えて、抜本的な強化策を進める必要がある」と述べた。このため「まず活動の軸足を東京にシフトすべく今年度から着手した東日本地域における営業強化を加速し、各地に根付いた施策を展開していく。2つめは新たな海外事業の展開。トヨタ自動車との連係による新規事業の立ち上げには、いま少し時間を要するが、その他の新規事業として中国におけるユニットビジネスの実現。並びにインドネシアから第3国への輸出強化を推進していく」と述べた。さらに「国内外のバリューチェーンの再構築する」とし、具体的には「海外では新規事業として純正補給部品ビジネスに着手するとともに、国内では地域密着での施策を通じアフターサービスを強化していく」とも語った。