帰りたいのに帰れない。帰りたいと上司に言えない現代社会。そこで、例えばテレビが見たいなら「テレビを見たいから帰ります」と、上司に匿名でメールできるサービス「帰らせ屋」が16日に運営を開始した。 帰りたい通知代理サービス「帰らせ屋」とは、本当は家に帰りたいのに言い出せない人が、帰れない状況をつくり出している勤め先の上司やイベント幹事に向かって、帰りたい気持ちを匿名のメールで通知できるサービスだ。利用は無料。帰りたい通知代理サービス実行委員会が運営する。 帰りたい通知メールは、「帰らせ屋」のサイトの送信フォームに必要事項を入力して送信する。送りたい相手を入力、帰りたいシーン、帰りたい理由、帰りたい度をそれぞれ選択すると、自動でメール内容が生成され、入力したメールアドレス先に匿名で届く。メール送信しなくても、プレビューのURLを発行することもでき、FacebookやLINEに貼り付けることもできる。 帰りたい通知メールは「帰りたいシーン」「帰りたい理由」「帰りたい度」の3項目を選択すると、その状況に適したメールが自動生成される。「帰りたいシーン」は「飲み会」「残業」「女子会」など。「お見合い」というのもあるが、まさかお見合い相手あてに送るのではあるまい。「帰りたい理由」は「テレビがみたい」「体調が悪い」「妻/夫が愛おしい」といった真っ当なものから、「占いで(ラッキー帰宅時間)」、「統計学的な理由で」という信じてもらえそうにないものまである。「帰りたい度」は「1時間後」から「限界を超えている」まで5段階の設定。 例えば、帰りたいシーン:「飲み会」、帰りたい理由:「テレビを見たい」、帰りたい度:「今すぐ」でメールを作ると次のようになる。まず「『帰りたい』と言えない方から、帰らせ屋の私がメールをお預かりしております」と明記した上で、「最後まで、なごやかな気持ちでお読みください」とお願いし、本文となる。お疲れ様です。この度は、こんな楽しい飲み会をセッティングして頂いてありがとうございます。(……)その帰りたい理由というのは“テレビが見たい”ということです。(……)テレビは今でも、最新の情報、最新の流行、最新のエンターテイメントを発信し、全国共通、全年齢の見られるメディアとして、お茶の間の家族団らんを支えてきた大事な文化です。歴史の証人としてその文化を、そして、合法的に見られるグラビアアイドルの水着姿を、女子高校生がイチャイチャするだけの無意味なアニメを、私は本気で見守っていきたいのです。 このように社会人の帰宅をサポートしてくれるのが「帰らせ屋」だ。なかなか終わらない残業や打ち合わせ、自分だけ途中で帰りづらい飲み会など、さまざまな場面での利用が考えられる。