シスコシステムズは、簡単操作・高品質を売りにしたテレプレゼンス(テレビ会議)システムの新製品を展示している。 特徴は、カメラ、モニタ、マイクなどが一体型となり、操作が専用タブレット(もしくはアプリをインストールしたタブレット等)でのみで可能なこと。スピーカートラックによって、話者へのパン、ズームなども全自動に行われることだ。さらに1080p HDのハイビジョン動画に対応し、業界初となるH.265対応も特徴となっている。 会場では、シスコシステムズの六本木オフィスの会議室をつないでライブで会議をする様子のデモが行われていた。スピーカートラックにより、会議室の話者が発言するごとにパン、ズームが行われる。話者はマイクと画像認識によって行われ、移動する話者を追跡したり、ホワイトボードなどがあれば話者とともに画面に収まるようにしたり、複数の発言にはズームアウトするなど、かなりインテリジェントな制御を行う。 カメラは、書類を映したときは天地も自動判定し、上下をひっくり返したりも自動的に行われるが、専用タブレットで手動操作も可能だ。一体型のため本体に接続するは電源ケーブルとLANケーブルのみだ。会議室にWi-Fiがきていれば、周辺のタブレットの画面やファイルを共有することもできる。 機能としては、他社のテレプレゼンスシステムと同等ではあるが、シスコシステムズとしては、操作性やカメラ、音声の品質にこだわった製品とし、とくに一体型のコンセプトで設置のしやすさやカメラやマイクのセットアップの煩雑さをなくしたという。 ブースでは、50型2画面のMX700、70型1画面のMX800の他、同じコンセプトのデスクトップ型のDXシリーズ(テレビ会議用の一体型Android端末)、モニタ分離型(HDMIで任意のディスプレイに接続するカメラユニットとリモコン)のSXシリーズなどが展示されている。 ちなみに、六本木オフィスとは有線接続だが送信(上り)で1.8Mbps、受信(下り)で3.7Mbpsくらいでつながっていた。画質や音声は非常に安定していた。説明員によれば、帯域は接続状況によってダイナミックに増速、減速を行うので、例えばLTEのルータなどを経由した会議も不可能ではないという。それでも不安定な場合は、512kbpsや384kbsなど低帯域で固定設定にして使うこともできる。 一体型により操作性などが向上したことで、いわゆるテレビ会議としての利用だけでなく、電力会社などが現場との連絡や作業に使われるようになってきているそうだ。