マンションが、我が家の発電所に? 都市ガスで電気とお湯をつくるシステム「エネファーム」を装備したマンションが2015年に誕生する。環境にやさしく経済的に暮らせる、マンション向けの燃料電池は世界初だ。 総合地所(東京都港区)は22日、東京都品川区に総戸数100戸のマンション『(仮称)ルネスカイプレミア品川中延』を供給すると発表した。同マンションは、東京ガスのマンション向け家庭用燃料電池発電&給湯システム「エネファーム」を導入した、世界初の案件となる。 今後も高まっていくと考えられているマンションに対するエコニーズ。これに応えて生まれたのがマンション向けエネファームだ。エネファームは、都市ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用する。そして発電の際に出る熱を給湯に利用する。電気を作る場所と使う場所が同じであるため送電ロスもない。 エネファームでは、快適に暮らしながらCO2排出を削減でき、エネルギーのムダが少ないから経済的にもメリットがある。従来のライフスタイルはそのままにエコな暮らしを実現できる。エネファームによる経済効果は、東京ガスのデータによると、火力発電所からの電気と都市ガス給湯器からの給湯を行なう方式と比べ、定格発電時にCO2排出量を約49%、一次エネルギー消費量を約37%削減できる。年間光熱費は約3万~4万円節約、年間CO2排出量を約1.0トン削減できるという。 世界で初めてのマンション向けエネファームは、東京ガスとパナソニックが共同で開発、東京ガスが2014年4月1日に発売する。マンションのパイプシャフト内に燃料電池ユニット、貯湯ユニット、バックアップ熱源機を全て設置できる仕様として製品化したのは、世界初だ(戸建て向けを改造して流用した例はある)。 マンションの設置基準に準拠するため、機器本体をアンカー固定する脚部の強度を向上させて耐震性を高めた。また、燃料電池ユニットの給排気口を集約したり機器内部への風圧の影響低減により、秒速30mの強風時でも運転できるようにし、高層階での設置も可能にした。 総合地所は「これからのマンションライフに欠かせない、エコ&スマートをテーマとした住まいのあり方を提案させていただく、新規格マンション」と謳う。(仮称)ルネスカイプレミア品川中延 物件概要●所在地:東京都品川区西大井六丁目1424-1他●総戸数:100戸敷地面積:1832.45平方メートル専有面積:6392.28平方メートル●販売価格:未定●構造及び階数:鉄筋コンクリート造 地上15階建●施工会社:株式会社長谷工コーポレーション●入居時期:2015年3月下旬予定モデルルーム公開:2014年2月中旬予定販売開始:2014年4月中旬予定●売主:総合地所株式会社販売会社:住友不動産販売株式会社