AKB48総選挙の開票が6月8日に迫っている。立候補制にしたり、OGにも被選挙権を与えたり、つねに新しい仕掛けのあるアイドルグループだ。グループの総合プロデューサーが、作詞をはじめマルチに活動する秋元康。 その秋元に、企画、発想、プロデュース、“刺さる”ビジネスノウハウを、ジャーナリスト田原総一朗が徹底的に聞き出した……、と謳うのが『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』(アスコム刊)だ。実際は田原本人の言葉にあるように、「齢78にしてAKB48にハマり続けている」田原が、「AKB48の真実、魅力を余すところなく伝え」ようとした1冊となっている。 AKB本として、またビジネス本として、よくも悪くも教科書的で、 秋元はそつなく、わかりやすくAKBを解説するいっぽう、田原もファンに徹して、広範囲に、細かく質問を繰り出す。田原と高橋みなみとの対談は面白い。本書から秋元語録をいくつか---●「カルピスの原液」のようなものを作る●この人気はたぶん「共犯意識」です。●「予定調和を壊す」とは、奇をてらったり裏をかくことではない●AKBならなんでもおもしろいという状態は長続きしない●「秋元康、今日をもってAKB48を卒業します!」と言うときがくる『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』秋元康×田原総一朗・著 アスコム刊価格:1000円