日本ではまだ“シューズデザイナー”という仕事が広く認知されていなかった1970年代。オリジナルブランド「キサ(KISSA)」を設立し、日本の女性靴にデザインの概念を持ち込んだと評価され、以後、シューズデザイナーの草分け的存在となった高田喜佐。2006年に亡くなった後も、彼女がデザインした、機能美と遊び心を融合させた大人のためのカジュアルシューズは、今も多くのファンに支持され続けている。ファンタジックなパンプス、カラフルなポックリ、自身が愛したバイクに乗るためにデザインされたライダースブーツ、海で過ごすためのビーチサンダル、父の靴の記憶を留めたマニッシュシューズ…。そんな彼女のクリエーションの軌跡と多彩なライフスタイルを、寄贈された膨大な数の作品とデザイン画、写真や映像で紹介する「高田喜佐ザ・シューズ展」が神戸ファッション美術館で7月2日まで開催中だ。オープニング時のトークショーイベントには、クリエーティブディレクターの小池一子やスタイリストの原由美子も来館。今後も関連イベントとして、ギャラリートーク(5月18日、6月15日)やワークショップ(6月2日)が開催される。また、ボストン美術館の協力により、歴代のファーストレディーやハリウッド女優らを顧客に持つオートクチュール・デザイナー「アーノルド・スカージ展-アメリカのオートクチュール・デザイナー」展も同時開催中。ヨーロッパとは異なるアメリカンクチュールの世界を知る貴重な機会となっている。【イベント情報】高田喜佐 - ザ・シューズ展会場:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町2-9-1会期:7月2日まで開館時間:10:00から18:00(入館は17:30まで)休館日:水曜入館料:一般500円