「2013年のF1シーズンがファン優先だと言えるのか?」という問いにジェンソン・バトン、ルイス・ハミルトン、フェリペ・マッサが肯定的に答えた。適応すべきなのはドライバーの側だというのが彼らの主張だ。タイヤをいたわりながらの2ストップストラテジーが原因で、ライバルの攻勢に積極的に抵抗することができなかった中国GPを『エキサイティングではなかった』と発言していたバトンだが、今は早期にグリップを失うタイヤというコンセプトを受け入れたようだ。「この種のレーシングも結構楽しいと思い直したよ。前回の中国GPでは、摩耗したタイヤで走ったため常に受け身の立場でオーバーテイクされっぱなしだったから、僕自身は愉快ではなかったけどね」「過去には、ノンストップで1レースを走れるタイヤなんてのもあったが、その時代はオーバーテイクが皆無だった。物事は最適のバランスを見つけるのが難しいが、現状の2ストップないし3ストップで多数のチームが争うレーシングの姿は決して間違っていないと思う」ハミルトンは、2013年のピレリタイヤがドライバーに新たなスキルを要求し彼自身もまだ適応の途中だが、それも楽しいチャレンジだと語る。「学ばなければならない事は多く、僕自身も常に学習しているよ。3月と4月の間に学んだ新しい考え方が役に立っている。ピットストップからコースに復帰すると、『ここでタイムを稼がないでどうする!』とレーサーなら本能的にプッシュしがちだけど、現在の傾向としてはピットストップ直後の全力走行は厳禁だからね」マッサも中国GPでは、ソフトのデグラデーションが激し過ぎるなどのタイヤコンパウンドの組み合わせを批判した一人だった。だが彼は、レース全体の娯楽性は高まったと考える。「家のTVで見ている限り、今年のレースは面白くなったと思う。スポーツの進む方向としては間違っていないだろうね。ソフトとハードそれぞれ最適な実用寿命を見つけるのが難しいだけだから、ここがドライバーの腕の見せどころということだ」
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