3月22日15時より、東京国際アニメフェア2013の大ステージにて「さらにその先へ、アニメCGのミライ」と題されたパネルディスカッションが開催された。日本のCGアニメのスタジオが、制作の現況について語るものだ。パネルディスカッションはCGソフトウェアの大手のオートデスクとTooが主催するものである。TooによるCGアニメセミナーには定評があり、今回はそのアニメフェア出張版となっている。パネラーにはサンジゲンの松浦裕暁さん、カラーの瓶子修一さん、ラークスエンターテインメントの奈良岡智哉さん、東映アニメーションの今村幸也さんと注目のスタジオのスタッフが並んだ。モデレーターはアニメ評論家の氷川竜介さんが務めた。まずそれぞれのスタジオ紹介からスタート。そのなかでスタジオ雲雀のCG部門から誕生したラークスの未公開作品のPVが初上映された。『K』とだけし、名を伏せられた作品だが、今後を期待させるサプライズだ。トークでは、現在、大きな話題を呼んでいる3Dプリンターが大きく取り上げられた。3Dプリンターとは、CGのモデルデータを利用することで、CGをリアルな物体に再現する技術である。松浦さんはすでに自社の3Dプリンターを使い、マーチャンダイジングにつなげる模索を行なっているという。一方、『モンスーノ』などでキッズ作品を制作する奈良岡さんは、実際に玩具のCGデータをアニメ用に改変するような例などを紹介した。そしてモデルデータをジャンルを超えて活用する需要はこれから増えると予想する。今村さんも「プリキュア」シリーズの変身アイテムはすでにCGになっており、バンダイから送られてくる仕様書に合わせてそのコンテを描くと現場の様子を語った。モデルデータを通したアニメと玩具のつながりは次第に強まっているようだ。CGでのアニメ制作の現状もテーマとなった。瓶子さんは、ゲームなどで多いフォトリアルのCGとアニメのCGはルールが違うことが多い、そのためアニメCGを作っている会社は少ないと話す。今後より多くの会社がアニメCGに参加してくれればと語った。また松浦さんは、CGアニメの活用の拡大はコストを下げることもあるが、一番重要なのは土壌を広げることだと話した。[真狩祐志]東京国際アニメフェア2012http://www.tokyoanime.jp/