10年ほど前、アーティストのアデル・アブスメッド(Adel Abdessemed)をインタビューしたことがあります。その際、「君の質問の意味がわからない!」とキレられ、「なんて嫌な奴!」とその後しばらく悶々とした覚えがあります。その後彼の作品は、悔しいことにますます素敵に発展して行きました。 先日、キュレーターのピエール・ルイジ・タッジ(Pier Luigi Tazzi)がアブスメッドをインタビューしている本を読む機会が偶々あり、安易なインタビューを行った当時の自分を反省しました。2人の「対話」は意図しない方向へ何度も転びながら、アブスメッドのアートを見事に言葉によって「かたち」にしていました。