野沢聡さんコメント 「確か「ダイ・ハード4.0」のリハーサル用に、少しでも鮮明に資料映像が見取れるようにと、当時としてはまだ比較的高価だった液晶テレビを父にプレゼントした記憶があります。 天才肌と称されることが多い父・野沢那智でしたが、実は大変な努力家で、寝食も忘れるほどリハーサルに没頭し、それこそ命を削るように一言一句にまでこだわっていました。だからこそ、そんなプレゼントもふと自然に出来たのでしょう。 そんな父の姿を見てきてしまったせいか、声の仕事に対しては、生半可な覚悟で手を出すべきではないと思い、控えてきました。しかし父が旅立った後、僕もいよいよ一大決心をして真正面から声の仕事に取り組ませていただくようになりました。 「ダイ・ハード」という作品に、なみなみならぬ意欲で心血を注いできた父の背中を間近で見てきた息子としては、本作品への出演が決まったとき、「すべてはこのためだったのか!」と身震いするほどに受けた衝撃的な感覚は未だに忘れられません。 リハーサル中はもちろんですが、収録日も、晩年父と過ごした懐かしい日々が脳裏をよぎり、”A GOOD DAY TO DIE HARD”、とても良い濃密な一日となりました。 拙いところも多々あると思います、しかし、せめて思いだけでも負けぬよう収録に臨み、精一杯、体当たりをして取り組ませていただきました。後は皆さんにとっても、特別な作品となるよう心から切に願うばかりです。