10月6日に武蔵野商工会館で第8回吉祥寺アニメーション映画祭が開催された。吉祥寺アニメーション映画祭は、吉祥寺アニメワンダーランドのうちのイベントとして実施されている。吉祥寺アニメーション映画祭は編集家の竹熊健太郎さん、アニメ評論家の氷川竜介さん、アニメーション史研究家の津堅信之さんらが審査を務めているほか、スタジオ4°C、コアミックス、スタジオディーン、ジブリ美術館も参加していることから、吉祥寺アニメワンダーランドのなかでも注目のイベントとなっている。今回は中田彩郁さんとサキタニユウキさんの『ヨナルレ Moment to Moment』が一般部門でグランプリを受賞した。この作品は宮城・仙台アニメーショングランプリ2012でもグランプリを受賞している。またフランスのアヌシー国際アニメーションフェスティバルや広島国際アニメーションフェスティバルなど、海外の作品と競う多くの大会でもノミネート上映されている。今回はグランプリのほかにスタジオ4°C賞も受賞した。以下の各賞では、ギャグアニメ部門グランプリに『画家のアトリエ』(近藤翔)、優秀賞に『櫻本箒製作所』(告畑綾)、審査員特別賞に『くつした』(加藤郁夫)、コアミックス賞に『Christmas Present』(渡邉由紀)スタジオディーン賞に『かかかかまきりの巣』(きし本こう太) が選ばれた。なお、きし本こう太さんは『とまと』でも審査員特別賞となっている。このほかのノミネート作品では『大きな樹』(黒木智輝)、『君への手紙』(馬場美紀)、『感傷の沈殿』(鈴木沙織)、『QQQ』(そんよんそん)などが見られた。黒木さんの『大きな樹』は、先月開催された第7回札幌国際短編映画祭では札幌市平和賞を受賞している。また告畑さんの『櫻本箒製作所』とそんよんそんさんの『QQQ』は東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の作品、加藤さんの『くつした』と馬場さんの『君への手紙』と鈴木さんの『感傷の沈殿』はアート・アニメーションのちいさな学校の作品と、話題の教育機関が目立つ傾向ともなっている。受賞作品は10月21日と28日、各日20時から武蔵野三鷹ケーブルテレビにて放送される。[真狩祐志]吉祥寺アニメワンダーランドhttp://www.kichifes.jp/wonderland/第8回吉祥寺アニメーション映画祭 受賞作品グランプリ一般部門『ヨナルレ Moment to Moment』 中田彩郁・サキタニユウキギャグアニメ部門『画家のアトリエ』 近藤翔優秀賞『櫻本箒製作所』 告畑綾審査員特別賞『とまと』 きし本こう太『くつした』 加藤郁夫スタジオ4°C賞『ヨナルレ Moment to Moment』 中田彩郁・サキタニユウキコアミックス賞『Christmas Present』 渡邉由紀スタジオディーン賞『かかかかまきりの巣』 きし本こう太ジブリ美術館賞 なし[ノミネート]一般部門『ぜんぶ水にながれる』 中根有梨沙『君への手紙』 馬場美紀『感傷の沈殿』 鈴木沙織『Christmas Present』 渡邉由紀『大きな樹』 黒木智輝『オリーブの花』 オキナワデジタルモーション『QQQ』 そんよんそんギャグアニメ部門『かかかかまきりの巣』 きし本こう太『not over』 早井亨