マンガ家の大友克洋さんの長年にわたる創作活動が、米国のコミック業界で大きな評価を受けた。米国の「コミックの殿堂(The Will Eisner Award Hall of Fame)」に大友克洋さんが加わることになった。 7月13日、米国サンディエゴ市で開催されたアイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Award)の授賞式にて、2012年のコミックの殿堂入りが発表された。アイズナー賞は米国のコミック業界が選ぶ賞で、同国で最も知られたコミックの賞である。 当初、発表のあったコミコン・インターナショナル(サンディエゴ・コミコン)の公式ゲストにも招かれた大友克洋さんだが、その訪米は事前に中止となっている。このため残念ながら大友さん自身は、授賞式には姿を見せなかった。それでも米国の多くのコミック関係者がこの授賞を祝福した。
また、本年のアイズナー賞では、国際賞アジア部門(Best U.S. Edition of International Material—Asia)で水木しげるさんの『総員玉砕せよ』(Drawn & Quarterly刊)が受賞した。本作は、フランスのアングレーム国際コミック(バンドデシネ)フェスティバル(Festival International de la Bande Dessinée)での遺産賞に続き海外の大きな賞に輝いた。 ベストコンテニューシリーズ賞(Best Continuing Series)5つのノミネート作品の中に選ばれていた浦沢直樹さんの『20世紀少年』は受賞を逃した。また、国際賞アジア部門には、『総員玉砕せよ』のほか、『乙嫁語り』(森薫・Yen Press)、『神の雫』(原作:亜樹直、作画:オキモト・シュウ・Vertical)、『土星マンション』(岩岡ヒサエ・VIZ Media)、『星守る犬』(村上たかし・NBM)、『放浪息子』(志村貴子・Fantagraphics)がノミネートされていた。
アイズナー賞(The Will Eisner Comic Industry Award) 2012年受賞リスト http://www.comic-con.org/cci/cci_eisners_main.php