米連邦取引委員会(FTC)はインターネットでの消費者のプライバシー保護についての枠組みとなるフレームワークを提案し、企業や議会に導入を勧告する報告書を公開した。懸案となっているブラウザのトラッキングについては、これを禁止するDNT(Do Not Track)を支持した。 インターネットではこの数ヶ月のあいだに利用者のプライバシーを脅かす事件が相次いでおり、プライバシー保護のあり方について関心が高まっている。特に大きな事件だったのは、GoogleがアップルのブラウザであるSafariの設定を迂回してウエブ閲覧履歴など個人情報の収集をするトラッキングを行なっていたとする報道。この報道をきっかけに多くのIT企業や広告企業が日常的にトラッキングを行なっている実態が知れ渡り、大きな注目を集めた。 事態の大きさにオバマ大統領はインターネットでのプライバシー保護を目的とした新法案「Consumer Privacy Bill of Rights」を2月23日に発表。この中にトラッキングを禁止するDNTを盛り込んでいる。 今回のFTCの広告書はプライバシー保護について5項目を挙げているが、その内の一つがトラッキングの禁止、つまりDNTだ。FTCの報告書に強制力はないものの、これを機にIT業界の機運はDNT導入へ大きく傾くと予想される。 報告書ではこの他にモバイルサービス提供者へのプライバシー保護の呼びかけ、データブローカーに対する規制強化、自主規制ルールの尊守などの内容を盛り込んでいる。
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