KDDIのブースに展示されている興味深い新技術が「新聴覚スマートフォン」と「新感覚スマートフォン」だ。 新聴覚スマートフォンは、スマートフォン全体を振動させることで、スマートフォンに触れている耳たぶから耳の内部へと振動が伝わり、耳の内側で振動が音声に変わり、鼓膜に音が届くという技術だ。デモ機はスピーカーの穴がふさがれているにも関わらず、耳に当てると音声が聞こえる。スマートフォン全体が振動しているため、デモ機の背面を耳に当てても音声が聞こえる。そればかりか、カナルタイプ(耳栓型)のイヤホンで音楽聴いている最中でも、実機を耳に当てれば、音楽に重なるように、電話の音声が聞こえてくる。 一方、新感覚スマートフォンは、スマートフォンのタッチパネル上でボタン配列の触感やクリック感を演出する技術だ。これは、パネルを押す指の力を「押圧センサー」で検出し、キークリック時の振動(周波数/振幅)を「リアル振動機能」で再現することで、キークリック時の感触を再現するもので、実際に画面がへこむわけではないのに、押し込んだような感覚が指に伝わってくる。デモ機を実際に試してみたが、画面をタッチして、そこから押し込むようにすると、指に振動が伝わり、本当にボタンを押したような感触が得られるのだ。サイト上のリンクをなぞって同じ感覚を得ることができる。 また、文字入力でキーボードが表示される画面では、一度タッチした指を隣のキーの上までスライドさせると、まるで携帯電話のテンキーの上で指を滑らせているように、隣のキーに指が乗った感触をリアルに味わうことができる。 いずれもKDDIブースの体験コーナーにて、開発中のデモ機を実際に手に取って試すことができる。なお、体験コーナーの担当者によれば、新感覚スマートフォンは2012年中、新聴覚スマートフォンは2012年度中の商品化を目指しているという。
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