自動車電子部品の大手メーカー、ボッシュ(日本)の2010年は、売り上げが3270億円と、前年比で37%増となる高い伸びを記録した極めて良好な業績となった。グローバルなボッシュグループは24%増であったことからも、日本のボッシュがいかに好調であったかを示している。7月14日に開催された技術勉強会では、同社の押澤秀和専務取締役から次世代自動車の技術動向が解説された。それによるとトレンドは大きく分けて3つ。1つめはエミッションのためのさらなる技術革新、2つめはクルマ社会のネットワーク化、3つめは安全技術の進歩だ。ここで注目したいのは、クルマ社会のネットワーク化だ。車車間通信や路車間通信は、様々な団体、メーカーが開発を続けているが、ボッシュも例外ではない。ボッシュが研究しているのはスマートフォンとクルマを接続することで、新しい機能をクルマに与えられるという可能性だ。現在でも携帯電話とカーナビを接続することでネット上で情報を交換し、独自の渋滞情報や地域情報の提供を実現しているテレマティクスがあるが、頭脳をもったスマートフォンとの融合により、クルマが完全なるインターネットデバイスになる、というのだ。これによって車両のあらゆる情報がネット上で利用できるようになり、クラウドコンピューティングによって幅広いアプリケーションの利用も可能になる。渋滞を避けて効率のいいルートを提供することによる、省エネやCO2削減のエコルートやより現実に即したナビゲーションを行なうだけでなく、ビジネスの効率化や日常的な情報の獲得に、クルマが利用されるようになるのだ。その際、気になるのは、どのOSに対応するものか、ということだが、オープンアーキテクチュアとすることで、幅広いOSや端末に対応することを想定している。つまり、車両側の仕様を公開することで、それぞれのOS側で対応するソフトウェアを開発していくことになる、と予測しているようだ。しかしボッシュの技術レベルを考えれば、技術的なハードルはそれほど高いとは思えない。むしろ運転中に安全に操作するための方法やコントロールデバイスの確立がキーとなるだろう。ここ最近、日本の携帯電話の購入者の6割がスマートフォンを占めると言われ、アメリカでも新規車両購入者の半数以上はスマートフォンを所有しているというデータもある。ボッシュはスマートフォンの社会への浸透スピードの高さに、クルマ社会が対応する必要がある考えている。おそらく数年以内に、このようなスマートカーが登場することになりそうだ。
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