気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。 2011年7月8日付 ●原発20基、再稼働困難、首相耐性検査が前提、電力危機全国に拡大(読売・1面)●カナダ太平洋岸、シェールガス対日輸出、10年代の後半、三菱商事など年1000万トン規模(読売・1面)●三輪のEV開発、光岡自動車(読売・8面)●エネ政策大混迷、首相は延命に利用、経産相は離反(朝日・1面)●企業、復興助成に殺到、応募、予算の10倍(朝日・7面)●スズキ、工場分散、一部、浜岡原発50キロ圏外へ(朝日・9面)●エルビーダ株取引インサイダー容疑、経産幹部を強制調査(産経・22面)●50代新社長比率アップ、上期本社調査、若さと実績重視(日経・3面)●パナソニック参入、電子書籍端末(日経・9面)ひとくちコメント電力使用制限令が始まってから1週間。自動車業界が率先して実施している「木・金」休日も2週目に入った。いつもの感覚で紙面を見れば、きょうは「日曜日」に当たるわけで、さすがに、各紙とも自動車関連のネタは少ない。そんな中で発表記事は光岡自動車1社のみ。バッテリー開発のユアサM&Aと共同開発した電気自動車『雷駆-T3』の試作車を発表。屋根やドアのない小型の2人乗り三輪車で、宅配などの業務利用を想定しているという。各紙とも両社のトップが試作車でデモ走行しているショットのカラー写真とともに、経済面で大きく取り上げているが、「節電休日」でなければ、このような異例のスペースでは掲載されなかっただろう。ちなみに、「節電休日」を実施しているのは日本自動車工業会の会員である。自動車メーカーでも光岡自動車は加盟していないため、振り替え休日を気にしないで発表することができるわけだ。それはともかく、気になるニュースといえば、スズキが、中部電力浜岡原子力発電所の近くに立地する相良工場(同県牧之原市)の一部機能を県内の別の工場へ移すほか、海から100mほどしか離れていない二輪車の技術センターを浜松市北部の高台の工業用地へ移すという動きである。 7日付の読売、日経が報じたのに続き、きょうも朝日と東京が取り上げている。このうち、東京は先の株主総会で「地震、津波、原発、地盤の液状化の“四重苦”を抱えながら、この地域で、このまま生きていけるわけがない」と語った鈴木修会長兼社長のコメントを紹介。スズキが「工場の再配置」というリスク回避策に踏み出していると伝えている。