IDC Japanは20日、国内ハイパーフォーマンスコンピューティング(HPC)市場における2010年の分析と2011年~2015年の予測を発表した。 これによると、2010年の国内HPCの市場規模は、211億円となり、2009年の410億円からの大幅なマイナス(48.5%減)となった。2009年は「地球シミュレーター」の超大型案件があったため、その反動が大きく出た形となった。全体では、大学や官公庁の研究機関などの「学術系HPC」の需要が減少した反面、電機・機械などの製造業と金融業向けの「産業系HPC」の需要がやや戻ってきているとのこと。 IDCでは、HPCシステムを価格帯によって5,000万円以上のシステムを「テクニカルスーパーコンピュータ」、2,500万円~5,000万円未満を「テクニカルディビジョナルコンピュータ」、1,000万円~2,500万円未満を「テクニカルデパートメンタルコンピュータ」、1,000万円未満を「テクニカルワークグループコンピュータ」と分類。2010年は、テクニカルスーパーコンピュータが前年比70%近い減少を記録した反面、テクニカルデパートメンタルコンピュータとテクニカルワークグループコンピュータでは、前年比プラス10%前後の堅調な成長になったとしている。 また2011年の国内HPCの市場規模は、前年比3.7%減の204億円になると予測。東日本大震災の影響でHPCの需要は減少するとし、2010年~2015年の年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)はプラス1.4%、2015年の国内HPC市場規模は227億円になると予測している。