東日本大震災が発生した翌日に東京電力が実施した1号機への海水注入が、菅首相の指示により中断されたとする問題について、東京電力は同社による調査結果を発表。関係者へのヒアリングなどを行ったうえでの事実関係を時系列で説明している。 同社は先週、3月12日に55分間にわたって海水の注水を中断していたとの発表を行ったが、今回発表された説明では一転して、注水は継続されていたとしている。 発表によれば、海水注入を開始してから約20分後に、同社の官邸派遣者からの“状況判断”として、海水注入について首相の了解が得られていないとする旨の連絡が、本店本部及び発電所にあったのだという。本店本部と発電所は注入を停止するとの判断を下したものの、発電所長の判断により注水は継続されていたのだという。 先週同社が行った、海水注入を中断していたとの発表は、発電所長の判断を把握していなかったためということになる。 以下は同社が発表した、3月12日の主要な時系列。・12:00頃:社長が海水注入の準備について確認・了解・14:50頃:社長が海水注入の実施について確認・了解・14:53頃:淡水の注入停止(これまでに8万リットル注入)・15:18頃:準備が整い次第、海水注入する予定である旨を原子力安全・保安院等へ通報・15:36頃:水素爆発・18:05頃:国から海水注入に関する指示を受ける・19:04頃:海水注入を開始・19:06頃:海水注入を開始した旨を原子力安全・保安院へ連絡 ・19:25頃:当社の官邸派遣者からの状況判断として「官邸では海水注入について首相の了解が得られていない」との連絡が本店本部、発電所にあり、本店本部、発電所で協議の結果、いったん注入を停止することとした。しかし、発電所長の判断で海水注入を継続。