スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2011」でLG Electronicsは、裸眼立体視が可能な3D液晶を搭載したスマートフォン「Optimus 3D」と、タブレット型デバイスの「Optimus Pad」を発表した。今年の同社ブースはこれらの新機種にフォーカスし、2機種の展示でブース全体の半分近くを占めるほどの力の入れようだった。 Optimus 3Dは、メガネなしで3Dの静止画・動画を楽しめる4.3インチの裸眼3D液晶ディスプレイと、背面に3D撮影用の「デュアルカメラ」を搭載。最大720pの3D動画を撮影し、その場でYouTube 3Dにアップロードすることも可能。これ1台で3Dの撮影から鑑賞までを楽しめる構成となっている。本体側面に「3D」と記されたボタンが用意されており、これを押すことでギャラリーやYouTube 3D、3Dゲームなどにアクセスできる3Dメニュー(このメニュー画面自体も3Dで描画される)が起動する。 ハードウェアスペックでは、米Texas Instrumentsのアプリケーションプロセッサ「OMAP4430」を採用したのが大きな特徴。OMAP4430は1GHz動作のARM Cortex-A9コア2つとPowerVR SGX540グラフィックコアを搭載するチップで、スマートフォンおよびタブレット向けに提供されているプロセッサとしては最速クラスの性能を誇る。実際にOptimus 3Dのユーザーインターフェース動作も極めてスムーズで、指に吸い付くような滑らかな操作感を得ることができていた。デモ機で動作しているOSはAndroid 2.2だったが、2.3へのアップデートも提供する予定だという。 タブレットの「Optimus Pad」は、8.9インチのワイドXGA(1280×768)液晶ディスプレイと、背面に搭載した3D撮影用のデュアルカメラが特徴。製品発表会で同社は、iPadのような10インチ(4:3)クラスの製品は幅が大きすぎるため片手での保持が不安定で、両手で持ったときには画面中央部に指が届ず、逆にGALAXY Tabのような7インチワイドクラスでは小さすぎてキー入力に難があると指摘。8.9インチワイドというこのサイズが多くの利用シーンにおいて最適な大きさであるとし、ブースにも他製品とのサイズ比較を行うための実寸台模型を用意していた。 デュアルコアプロセッサのNVIDIA Tegra 2(1GHz)を搭載し、最新のタブレットOSとなるAndroid 3.0も難なく動作していた。Optimus 3Dとは異なり液晶ディスプレイは2D表示のため、背面デュアルカメラで3D撮影したコンテンツを本体で再生することはできないが、YouTube 3Dへのアップロードが可能なほか、HDMIケーブルで各社の3Dテレビと接続して大画面で再生を楽しむこともできる。 同社はタッチ操作型携帯電話で早くからの実績を持つが、スマートフォンの展開では競合他社に一歩出遅れ、2010年は大きなヒットとなる機種がなく携帯電話事業は赤字決算だった。今年は1月のCESで発表した「Optimus 2X」「Optimus Black」などOptimusシリーズのAndroid機を一気に充実させ、巻き返しを図る。同社では2011年の携帯電話販売台数を前年比30%増の1億5000万台に引き上げたい考えで、このうちスマートフォンが台数ベースで20%以上、売上金額ベースでは50%以上を占めることになると見込んでいる。
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