脆弱性情報データベース「Common Vulnerabilities and Exposures(CVE)」への登録件数からすると、2010年に確認されたソフトウェアの脆弱性は減少したようです。しかし、数が減った一方で、現代のプログラム構造の複雑さを考慮すると何らかの欠陥が生じる可能性は否めず、脆弱性が完全になくなることはないと予測されます。サイバー犯罪者はこのような状況をうまく利用し、脆弱性の存在するコンピュータに不正プログラムを侵入させるのです。
そのため、「ウイルスバスター コーポレートエディション」のプラグイン製品である「Trend Micro 侵入防御ファイアウォール」や「Trend Micro Deep Security(トレンドマイクロ ディープセキュリティ)」など「仮想パッチ」の技術を取り入れた対策を取り、脆弱性を突く攻撃から常に身を守る必要があります。
近年、セキュリティ研究者もサイバー犯罪者も「サードパーティ」製アプリケーションに存在する脆弱性に注目しています。「サードパーティ」とは、コンピュータ本体のメーカーとは直接関係のないメーカーを指し、具体例として、“Adobe Reader” や “Java”が挙げられます。Webサーバなどのインターネットで利用されるサービスや Windows といったコンピュータの OS は、たびたびサイバー犯罪者から攻撃の的として悪用されてきたことから、セキュリティ対策の実施状況が比較的高いといえます。しかし、多くのサードパーティ製アプリケーションには、「Windows Update」機能のような定期的なセキュリティ自動更新システムがまだ用意されていません。このため、ユーザのコンピュータに未修正の脆弱性が存在する危険性も高くなります。これらのことから、サイバー犯罪者がサードパーティ製アプリケーションの脆弱性を攻撃対象として注視することは当然のことだといえるでしょう。