Microsoft SharePointはさまざまなサービスの統合スイートで、包括的なコンテンツ管理やエンタープライズ検索など、ビジネス上のより良いコラボレーションを実現する諸機能を提供します。最新バージョンのSharePoint 2010では、PowerPivot によるビジネス分析機能などの新機能が追加され、ソフトウェアの活用の幅がさらに広がっています。
■NetAppとHyper-Vを利用した導入の計画 Hyper-Vは、物理環境を仮想化するための最もシンプルな方法だといえます。Hyper-Vを使用すると、Microsoft System Center Virtual Machine Managerなどのツールを通じて、各物理サーバを簡単に仮想マシンとして利用できるようになります。計画の際には、単一の物理サーバの障害がSharePointに及ぼす影響を最小限に抑えられるよう、注意を払う必要があります。言い換えれば、SharePointで使用されるすべての仮想マシンは、単一の物理サーバ上に配置可能ですが、そうした構成は推奨できません。SharePointの各機能は、耐障害性とパフォーマンスの観点から、利用可能な複数のサーバに分散させます。Hyper-Vを利用したSharePointの仮想化に関する詳しいガイドラインについては、Microsoftが提供するこちらのTechNetの記事(英語)をご覧ください。また、NetAppでも、最近リリースしたベスト・プラクティス・ガイド(英語)の中で、SharePoint環境に関する詳細なガイダンスを提供しています。このガイドは物理的な導入について書かれたものですが、ベストプラクティスは仮想環境にも適用できます。
・SnapManager for Hyper-V:各Hyper-Vサーバ上にインストールされます。Hyper-V仮想マシンの、整合性のあるバックアップと複製を実行します。
・SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server:SharePointと関連付けられた各仮想マシン上にエージェントがインストールされ、整合性のあるバックアップと複製が実行されるよう調整します。
・SnapManager for SQL Server:各SQL Server仮想マシン上にインストールされ、SQL Serverの整合性のあるバックアップと複製を実行します (SnapManager for SQL ServerはSnapManager for SharePointの一部であり、前者は後者によって制御されます)。
前のセクションで挙げた各種のSnapManagerツールを使用すれば、仮想化されたSharePoint環境に、バックアップと複製の両方の機能が提供されます。SnapManager for Hyper-Vには、仮想マシン自体を保護する機能があります。SnapManagerでは、NetApp Snapshotテクノロジを使用して定期的に仮想マシンのバックアップを作成することにより、システムダウンを最小限に抑え、ほぼ瞬時にリカバリを実行できます。SnapManager for Hyper-Vを使用して仮想マシンをセカンダリサイトへと複製しておけば、プライマリサイトで災害が発生しても、セカンダリサイトですぐに仮想マシンの運用を再開できます。
SnapManager for Microsoft Office SharePoint Server(SMMOSS)は、SharePoint環境全体のバックアップと複製を調整する機能を備えています。
SMMOSS Media Serverは、SharePoint Webアプリケーションのバックアップセットに関連する、さまざまな情報を生成して保存します。こうした情報には、バックアップセットのインデックスやバックアップセットのメタデータが含まれます。
SMMOSS Control Agentは、SharePointの各Web上でサービスとして実行され、そのWFE上で実行されているSharePoint Webアプリケーションを検出する役割を果たします。さらに、それぞれのWFEサーバ上で、Webアプリケーションのバックアップタスクとリストアタスクを実行する機能も提供します。この処理はMember Agentと連動して実行されます。
SMMOSS Member Agentは各SQL Serverにインストールされ、SnapManager for SQL Server(SMSQL)ベースのコマンドを通じて、実際のバックアップタスクやリストアタスクを実行します。SMSQLが必要な理由は、SMSQLが、SQL Serverデータベースをバックアップまたはリストアできる唯一のツールだからです。SharePoint Webアプリケーションは、特別なSQL Serverデータベース(コンテンツデータベース)を使用して、使用するすべてのコンテンツを保存します。
SharePoint Index Server上のSMMOSS Member Agentは、SharePointの検索データベースファイルとインデックスファイルのバックアップまたはリストアを実行します (インデックスファイルは、NetApp LUNに格納されている場合にのみバックアップ可能)。