マルチアンプを構成するうえで音質の要となるチャンネルデバイダは、可能な限り急しゅんなフィルタを用いて、ウーファとツィータを理想に近い形で駆動することを重視した。検討の結果、優れた特性を持つ有限インパルス応答(FIR)フィルタを使ったリニアフェーズ型を採用した。このフィルタでは、クロスオーバポイント(2.96 kHz)の位相ずれが発生せず、ハイパスフィルタ(HPF)は-200 dB/oct以上の極めて急しゅんな遮断特性を持っている(図2)。なお、リニアフェーズフィルタはDSP(Digital Signal Processor)内にソフトウェアとして実装した。