米Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ)は現地時間16日、スペイン・バルセロナにて開催中の「Mobile World Congress 2009」において、新しいモバイル向け無線配信ランタイムである「Adobe Flash Lite 3.1 Distributable Player」を発表した。
このプレイヤーを介して開発者やコンテンツプロバイダは、最新バージョンのランタイムを活用しFlashテクノロジーベースのアプリケーションを開発したり、OSを搭載したさまざまな携帯端末にアプリケーションをランタイムインストーラーによって直接配信したりすることが可能となる。Adobe Flash Lite Distributable Playerはパブリックベータ版として提供が開始され、当初はNokia社のS60とWindows Mobileを搭載した携帯端末をサポートする。
またFlash Lite Distributable Playerにより、Flashテクノロジーベースのモバイルアプリケーションにはあらたな配信と課金の手段が追加される見込みだ。GetJar社、Thumbplay社、Zed社をはじめとする大手アグリゲーターは、それぞれのWebカタログを介してコンテンツクリエイターがモバイルユーザにアプリケーション配信を行うことができるようにしている。一方コンテンツクリエイターは、自らの提供手段や既存の配信チャンネルを通してアプリケーションを配信することも可能だ。Flash Lite Distributable Playerはすでに、Accuweather、Dolce&Gabbana、Digital Chocolate、Disney、Finetune、Gazzetta dello Sport、Hachette Filipacchi、Il Sole 24 Ore、Il Corriere della Sera、Nespresso、Uclickをはじめとするブランドやコンテンツプロバイダによって利用されている。
Flash Lite Distributable Playerは現在、米国、英国、スペイン、イタリア、とインドのユーザ向けに無線経由のダウンロードが提供されており、今後さらに拡大する予定。開発者は無償のパブリックベータを「Adobe Labs」サイトからダウンロードすることにより、Adobe Flash Platformアプリケーションの開発を開始できる。このランタイムは、Adobe Creative Suite 4を使ったオーサリングのサポートと、開発者がSWFファイルをWindows MobileまたはS60のインストールファイルにラッピングすることのできるデスクトップツールであるAdobe Mobile Packagerを含むソリューションの一部として提供されている。
《冨岡晶》