富士通研究所は3日に、長時間撮影されたデジタル映像データにおいて、分割して保存・管理したり、一部を切り出した場合でも、その映像がもとの映像の一部であり、改ざんがないことや撮影された時刻の確認を可能にする技術を、世界で初めて開発したことを発表した。 監視カメラなどへの適用においては、24時間常時撮影など長時間の撮影となるため、撮影時刻を含めたデジタル証拠性を保ったまま、映像データを数時間ごと(複数)に分割して保存・管理することが求められる。そこで今回の新技術では、分割された映像データの連続性を保証する情報(検証データ)を各映像データに関連付けし、時刻情報と共に管理するという。 これにより、映像データを分割して保存しても、途中でデータの削除や改ざんが行われていないという映像の連続性を保証でき、長時間映像データの分割保存・管理が可能になったとのこと。さらに撮影データの必要な部分のみを切り出して、たとえば、監視カメラの映像をプライバシーを守りながら証拠物件として活用したり、一般公開することが可能になる。 富士通研では、監視市場における映像の蓄積・保存、利活用に加え、改ざん部分の検出や追跡を可能にする「映像証跡ビジネス」などへの適用を目指すとしている。なお7月24日〜25日に福岡市で開催される「情報処理学会コンピュータセキュリティ(CSEC)研究会」にて本技術の詳細が発表される予定。