また、同社や同社CEOのスティーブ・バルマー氏は、これまでのインタビューなどで、提案に応じない場合、委任状争奪など敵対的買収を示唆する発言もしていたが、今回の発表では、このようなアプローチは交渉を長引かせないために必要だが、最終的に米Yahoo!の価値を損なうなどと5つの理由を挙げ両社にとって好ましくないとも述べている。この発表の直前のWall Street Journal(オンライン版)のインタビューで、バルマー氏は、Yahoo!を買収せずとも自力で(時間はかかるが)インターネット広告を拡大することも可能だとの意見を述べおり、これを米Yahoo!株主に対する撤退をにおわせる揺さぶりという見方もあった。最終的には、米Yahoo!(株主)側が主張する金額より低い1株あたり33ドルという提案(当初提案は31ドル、Yahoo!側は35〜37ドル以上を主張)が受け入れられなかったため、買収そのものを断念することになったようだ。
Wall Street Journalのインタビューでは、米Yahoo!以外のオンライン広告のパートナーとして、MySpace、AOL、Facebookなどを挙げている。今後は、これらの企業との接触していくか、自力でMSN、Windows Liveといったメディアを拡大していくものと思われる。
《中尾真二》