高輝度光科学研究センター、科学技術振興機構、理化学研究所、松下電器産業、筑波大学は14日、書き換え可能な相変化光ディスクの代表的な母体材料、ゲルマニウム・アンチモン・テルリウム三元化合物、および銀・インジウム・アンチモン・テルリウム四元化合物について、ナノ秒レベルで起こる結晶化過程を大型放射光施設(SPring-8)高フラックスビームラインのX線回折で観測することに成功した。 今回の研究は、書換型DVDの消去過程の瞬間となる、アモルファス相から結晶相への構造変化の最中を世界で初めてX線回折でとらえたもの。観測成功により、レーザーによる光記録とナノレベルでの物質の構造変化が同じ時間スケールで起こっていて、かつ2つの材料で「相変化直後」の結晶成長プロセスに違いがあるという2つの発見があった。これらの時間分解の構造情報、つまり、材料の相変化にともなう結晶成長プロセスの特徴は、より速い、次世代の相変化材料を探索・設計する上で有用だと期待されている。