日立製作所は26日、従来の方式よりも正常な細胞への影響を最小限に抑え、がん患部を集中して治療できる「スポットスキャニング照射技術」を世界最大級のがんセンター、MDアンダーソンがんセンター向けに開発した。 従来方式では陽子線の細いビームを散乱により拡大した後、複数のフィルターで患部形状に合わせて成形して照射する「二重散乱照射技術」を採用していたが、同技術では細い状態のまま用いることでがんの形状に合わせて陽子線を照射でき、正常な細胞への影響を最小限に抑えられる。同技術は、均一な品質のビームを取り出す技術とビームを高い精度で制御する技術を発展させることで実現したもの。 また、同技術を採用した陽子線治療システムでは世界で初めて米国食品医薬品局(FDA)の販売認可を取得した。