そこで、こうした状況を打開するために、昨年同社が発表した「Yahoo! Everywhere構想」の最新の取り組みとして、フルハイビジョンテレビに向けたコンテンツサービス「Yahoo! HD for AQUOS」プロトタイプ、ならびに「ビジョン・サービス(モーニングビジョン)」プロトタイプ、「Yahoo! DIGITAL HOME ENGINE for DLNA」など、新しいサービスを紹介した。
「Yahoo! HD for AQUOS」は、シャープの液晶テレビAQUOSシリーズの今秋発売予定モデルに向けて開始予定のサービスで、フルHDハイビジョン向けコンテンツとして、地図情報、絵本、ブックス、レシピなどが用意される。
「Yahoo! DIGITAL HOME ENGINE for DLNA」は、Windows XPやVistaを搭載するPCをサーバーに据え、DLNAクライアント向けにYahoo! JAPANが提供するコンテンツを再生することを可能にするサービスだ。PC側にあらかじめサーバー用ソフトウェアをインストールしておき、「Yahoo! 」フォトや「Yahoo! ポッドキャスト」などの画像/音声サービスをクライアントに合わせて動的に最適化して配信するという。Yahoo! JAPAN IDによるログインに対応し、サービスのパーソナライズが可能だという。
井上氏は、Yahoo! Everywhere構想において重要な要素として、オープンなマーケットであること、UIがデバイスごとに最適化されていること、デバイスの機能本位でなくあくまでも利用者本位であること、シームレスな利用が可能であることの4つを挙げた。そしてパートナー企業との協業の重要性をあらためて強調し、今後も、APIの公開や、Yahoo! JAPAN IDの外部への解放、共同研究の場の提供などを一段と推進していく考えをまとめた。
《竹内充彦》