マイクロソフトは7日、「Microsoft SQL Server 2005 Service Pack 2」を13日より提供開始することを発表した。合わせて、「SQL Server Compact Edition」および「SQL Server 2005 Data Mining Add-ins for Office system」も同日より提供を開始する。
説明を行なったマイクロソフトのサーバープラットフォームビジネス本部 本部長の五十嵐 光喜氏は、「SQL Server 4.2のリリース以来、右肩上がりの成長を維持しており、全世界で平均20%の成長を達成している」というデータを示し、支持を得ている根拠として、「従来、強みとされていた中小規模システムだけでなく、ミッション・クリティカル・システムにおいてもSQL Serverの採用が拡大している。また、データベースと組み合わせて利用するERPアプリケーションでも、代表的な存在であるSAPではWindowsプラットフォームでの利用が拡大しており、こうした動向もSQL Serverの採用拡大を後押ししている」と語った。
また、マイクロソフトの取り組みとして「『データベースからデータプラットフォームへ』というコンセプトに基づき、(1)リレーショナルデータベースを超越するテクノロジ(2)連続稼働を実現する高可用性と自動化(3)ダイナミックなアプリケーション構築のプラットフォームとなる(4)End to Endのビジネス・インテリジェンス(BI)の実現、という4つのテーマに取り組んでいる」とした。
なお、SQL Server 2005 Service Pack 2は、マイクロソフトのWebサイトより無償でダウンロードできる。
また、モバイルデータベースとして最適化された軽量データベースとして、「SQL Server 2005 Compact Edition」も無償提供される。Windows PCのほか、Windows Mobile端末などでも動作する。インストールには、メモリは約2Mバイト、ディスクは約5Mバイト必要。データサイズは最大5GBまでだ。
最後に、「SQL Server 2005 Data Mining Add-ins for Office system」は、Excel 2007およびVisio 2007向けのアドインツールで、Excel 2007/Visio 2007からSQL Server 2005のデータマイニング機能を利用可能とするもの。会場でデモが披露された「Table Analysis Tools for Excel 2007」では、Excelの表内のデータを直接SQL Server 2005のAnalysis Servicesに送り込み、分析を実行してExcelの表内に結果を取り込む。従来であれば、分析アルゴリズムの選択からデータのクレンジングなど、分析実行前の準備作業に多大な労力を費やしていたが、Data Mining Add-insでは、Excelのリボンに用意されたボタンをクリックして分析手法を選び、ウィザード形式の設定を数クリック行なうだけで高度なデータ分析が可能だ。
分析内容としては「主要な影響元の分析」「カテゴリの検出」「例の全体適用」「予測」「例外の強調表示」「シナリオ分析」などが用意されており、SQL Server 2005に搭載されている9種類のマイニング・アルゴリズムを利用することが可能。このツールによって、従来は大きな労力とコストを要していたデータ・マイニングが、担当者個々で利用できるようになり、営業活動等に応用しやすくなるという。このツールも、無償でダウンロード可能となるが、Analysis Servicesが利用可能なように構成されたSQL Server 2005が利用可能な環境であることが条件となる。
《渡邉利和》