NECエレクトロニクスは27日、HD DVDプレーヤーおよびレコーダー向けのシステムLSI「EMMA3」のサンプルを出荷したと発表した。同社によると、HD DVDプレーヤーおよびレコーダー向けシステムLSIの販売は世界初だとしている。 サンプル価格は1個あたり2万円で、東芝が12月に発売した北米向け「HD-XA2」「HD-A2」、日本向け「HD-XA2」「HD-XF2」のほか欧州/豪州向けHD DVDプレーヤーにすでに採用されているという。 EMMA3は、HD DVDプレーヤーに必要なデジタル映像、音声、グラフィクス処理を行なうシステムLSI。デジタル放送記録のためのストリーム処理やマルチチャネルストリーム入出力を備えているため、HD DVDレコーダーへのシステム拡張も可能となっているのが特徴だ。 EMMA3の主な特徴は以下のとおり。・HD DVDプレーヤーに対応した高性能な機能を1チップ上に集積 高画質、高音質に対応した「H.264」や「VC-1」などの新たなHDビデオ、「Dolby Digital Plus」や「DTS-HD」などのオーディオデコーダー、ストリーム処理、HDグラフィクス処理機能を1チップ上に集積しているため、HD DVDプレーヤーの構成における部品点数の削減に寄与する・マルチCPUコアによる高度なアプリケーションに対応 アプリケーションプロセッサとして654DMIPSの64ビットCPU「VR5500」と、米MIPSテクノロジーの457DMIPS、32ビットCPUを内蔵。これにより、次世代DVDやデジタル放送に必要となるブラウザーやデータ放送などの、インタラクティブかつ高度なアプリケーションに対応可能に・世界初のHD DVDプレーヤーおよびレコーダー共通プラットフォーム デジタル放送記録のためのストリーム処理やマルチチャネルストリーム入出力を備えているため、HD DVDレコーダーへシステムの拡張が可能。また、プレーヤーとレコーダーで共通のプラットフォームを利用しているためソフトウェアの共有が容易となっている・同社プラットフォームに準拠し、ソフト開発効率を向上 同社が提唱する「platformOViA」に準拠しているため、Linuxの豊富なソフト資産を流用できるのと同時に、ソフトの再利用/効率化を進め、ユーザーのソフト開発効率の向上に貢献