イー・アクセスは12日、2005年3月期の決算発表に合わせて、将来において同社への敵対的企業買収が行われた場合の対抗策となる「企業価値向上新株予約権(eAccess Rights Plan)」を発行する方針であることを明らかにした。同日午前の取締役会において、6月の株主総会に提案することが議決された。これは、最近良く聞くようになった「ポイズンピル(毒薬条項)」にあたるものだ。
なお、eAccess Rights Planにおいては、新株予約権は保有1株につき1個が付与され、発動した場合には新株予約権1個あたり1.5株を購入できる。購入価格は直前5日間の終値を平均したものの5分の1とされている。
また、eAccess Rights Planでは、新株予約権の行使プロセスについても厳密に規定している。実際に買収などが仕掛けられた場合には、社外取締役のみによる委員会が組織され、買収の内容や影響を検討し、企業価値を毀損するようなものであれば発動し、そうでなければ、すなわち買収を受け入れることが既存株主にとっても利益になると判断した場合には、新株予約権を消却するというものだ。同社は現在10人の取締役がいるが、会長兼CEOの千本倖生氏、社長兼COOの種野晴夫氏、副社長兼CFOのエリック・ガン氏の3人だけが社内で、ほか7人は社外取締役となっている。
こうしたことから、千本会長は「社外取締役は株主の利益を代表する立場。eAccess Rights Planは、あくまでも濫用的な買収から企業価値と既存株主を守るためのものであり、決して今の経営陣を守るためのものではない」と強調した。
《小笠原陽介》