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ドコモAOLの山川氏 |
各国のAOLはワールドワイドの戦略として、専用クライアントである「AOLクライアント」を用いて接続サービスを提供していた。これは、面倒な設定が不要という利点がある反面、独自のプロトコルを用いておりメールはこのクライアントからしか利用できないなどの欠点があった。
これら独自のプロトコルの採用は思わぬところに影響が出ていた。それは、FTTHやADSL、AirH"など新しいインフラへの対応がほかのISPよりも遅くなるということだ。独自プロトコルを用いたAOLのネットワークとブロードバンドのインフラ事業者のネットワークとの親和性が悪いためだ。
このように、モバイルやブロードバンドが普及する日本においては、他国のAOLと同じ戦略では進められなくなった。そのため、インターネットにおける標準的な技術を取り入れることで、日本だけの独自サービスを提供できるようになったという。
その結果これら標準技術の導入が一段落した7月には、Bフレッツ、IP電話、@FreeD、AirH"など、他のISPでは当たり前になっているようなサービスがようやく提供できるようになった。山川氏は「ユーザニーズの多様化に追いつくためISPとして迅速な対応が必要になった。ようやく『素早く動ける』体制ができあがった」と自信を見せた。
また、これまではAOLクライアントがなければ利用できなかったコンテンツサービスなども、すべて通常のWebブラウザから楽しめるようになる。ほか、メールにおいても3ペインインターフェイスやSPAMフィルタリングを搭載した「AOL Communicator」を提供することで利便性が向上した。
さらに、秋にも始まるであろう最大30MbspのADSLサービスや来年の最大50Mbpsのサービスへの対応は「いち早く行う」とブロードバンドサービスへの対応も強化することを明らかにした。
ドコモAOLは、URLフィルタリング、家族での利用を想定した複数アカウント、海外ローミングなどにおいては他のISPよりも一歩進んでいるが、先に挙げたように新しいインフラへの対応が遅いなどの欠点があった。しかし、これらの欠点が解消されたAOLは、他のISPにとって大きな“脅威”になるだろう。