同球場でYahoo! BBモバイルが使えるのは主にネット裏になる。このネット裏のスペースには、年間契約のシートやプレス席などがあり、これらの観戦者向けに接続サービスを提供するのだ。プレス席では無線LAN接続を使って原稿を送っている記者もいるとのことだ。
さらに、4階にある、食事をしながら野球観戦が楽しめる「スタジアムスカイレストラン」でも利用できる。ここで、ビールでも飲みながらゆっくり野球観戦してインターネットに接続するのもいいだろう。
![]() | ![]() |
マクドナルドなどでおなじみのYahoo! BB モバイルのステッカー。ネット裏を中心に至る所に張ってあったのが印象的だ | Yahoo! BBモバイルの設定を終え、コーラを注文しPC片手に野球観戦 |
ちなみに、Yahoo! BB STADIUMまでの電線路は約2.5kmだが、スカイレストランにてSpeed Testで測定すると下りが3.12Mbps、上りが701kbpsという結果になった。無線LAN接続としては文句ない数字だろう。なおスタジアム内には、ネット裏を中心に6つのモデムが設置されているとのことだ。
![]() |
Speed Testでの測定結果 |
ほかボールパーク構想の一環として、食事をしながら家族で観戦できる「ペプシファミリーゾーン」、グラウンドと同じ高さの「フィールドシート」など、他球場にはない座席が用意されている。
特にフィールドシートは、プロ選手のプレイを身近に観戦できる絶好の場所だろう。しかし、近いがためにファールボールや送球エラーで客席にボールが飛んでくることが多いという。そのため、グローブの貸し出しや、座席の前にポリカーボネート製の盾が設置されているなどの対策が取られている。
これら、野球観戦をしながら無線LAN接続サービスが使えるとどんなメリットがあるのだろうか。実際に、試そうとしたら試合が始まる前に早々と雨天中止が決定。残念ながらテストは出来なかった。
![]() | Yahoo! BB STADIUMに訪れた26日には小学生以下の子供たち820人がボールボーイ&ガールなどを行うイベント「Enjoy Yahoo! BB Day」が行われていた。そんな中、待機していた子供たちの前にオリックスのレオン リー監督が現れた |
![]() | ![]() |
1塁側のフィールドシートから撮影。グラウンドと高さが同じため迫力満点だ。飛んできたボールから守るための盾と、キャッチするための(?)グローブは必需品だ | 野球を見ながら無線LANと思ったのだが、あいにくの雨天中止。Enjoy Yahoo! BB Dayの一部イベントも27日に順延された |
そこで、どんな使い方があるのか考えてみた。たとえば、Yahoo! Messengerのビデオチャット機能を利用して、自宅にいる野球ファンの友達と一緒に観戦している気分になるというのはいかがだろうか。またシーズンの終了も押し迫ってきたこの時期は他球場の結果が気になるが、こんな情報も球場にいながらにしてすぐに手に入る。そう考えると、無線LAN接続サービスで野球観戦がより一層楽しくなることは間違いない。
ところで、最初に紹介したように同球場は3月31日に「Yahoo! BB STADIUM」に改名された。それから半年弱が立っているのだが、知名度を調べるためにタクシードライバーに「Yahoo! BB STADIUMまでお願いします」と指定してみた。ところが、一瞬迷った様子を見せたため「旧グリーンスタジアム神戸ですよ」と言ったら思い出したかのようにうなずいていた。しかし、帰りのタクシードライバーは「Yahoo! BB STADIUMを知らないなんてもぐりだよ」と返された。ドライバーによると、同球場までお客さんを乗せることも多いようだが、「グリーンスタジアム神戸」と、行き先を指定する乗客のほうが多いとのこと。まだまだ、Yahoo! BB STADIUMの名は浸透しきってはいないようだ。