MusicCASTでは、サーバのCD-RWドライブでオーディオCDからMP3ファイル(320、256、160kbpsから選択)をリッピングして内蔵されたHDDに蓄積。この音楽をホームネットワークで接続されたクライアントで楽しめるようになっている。
サーバに内蔵されるHDDは80Gバイトで、MP3ファイル(160kbps)だと約1,000時間の音楽が保存できる。これら膨大な音楽を管理するためにMP3のID3タグを用いるが、CDDBにより自動的に付与されるほか、最新の情報をインターネットから取得する機能も備える。
さらに特徴的なのは、サーバとクライアント共にIEEE 802.11bを内蔵していることだ。なお、1台のサーバに接続できるクライアントはIEEE 802.11bだと5台までになり、有線も合わせると最大で7台まで利用できる。また、サーバの入力端子(アナログ、同軸デジタル、光デジタル)に接続された外部機器の音楽をネットワーク経由で聞くこともできる。
これらサーバとクライアントは、リモコンで操作できたりネットワークの設定は最小限で済むなど、手軽に利用できるオーディオ機器に仕上がっている。なお、サーバのみでの利用も可能で、別途オーディオアンプを接続することで音楽を楽しめる。ほか、タイマー再生、プレイリスト、ブックマーク、ファムウェアのアップデート、クライアントの一括管理などの機能を備える。
クライアント/サーバ型のオーディオ機器としては、オンキヨウの「NC-500」があるが、こちらはサーバ側にPCを用意する必要があった。しかし、ヤマハのMusicCASTではPCはいっさい必要ない。ホームネットワークを用いたAV機器も本格的にnon-PCに向かいつつあるようだ。
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MusicCAST製品群。(左)クライアントとスピーカ「MCX-A10」「MCX-SP10」(右)サーバ「MCX-SP10」 |