松下電器は、AV機器向けにIEEE802.11aを用いた映像伝送機能を搭載したチップセットを開発した。3月よりサンプル出荷を開始する。 従来の無線LANのチップセットはパソコン用に設計されていため、ファイルの転送を想定した設計となっていたという。そのため、映像伝送の場合、無線区間で遅延の補正をするため強力なCPUや大規模な回路が必要だった。 今回開発されたチップセットでは、無線区間における通信速度のばらつきを映像信号に合わせて自動的に補正する機能が内蔵されている。さらに、映像伝送の標準形式「MPEG-TS」の信号をリンク制御プロトコル「IEEE802.11e」に乗せることにより効率的に伝送できるという。さらに、最大52MbpsのIEEE802.11aを利用して伝送するため、ハイビジョンクラスの映像でも十分耐えられる仕様となっている。 同社では、デジタル放送用のチューナや、映像を蓄積するホームサーバなどでの利用を想定しているという。