[COMDEX Fall 2002速報（現地20日）]にわかタブレット型デバイスブーム

　米ラスベガス（ネバダ州）にて開催中のCOMDEX Fall 2002にて、タブレットPCやスマートディスプレイの発表で、タッチパネル型のデバイスがにわかに注目を集めている。また主要メーカー以外でも「Windows XP Tablet PC Edition」を搭載したタブレットPCをあちこちで発見した。

台湾企業のスタイリッシュなタブレットPC

　台湾のスタートアップ企業AMtekは薄型タブレットPCを展示している。トランスメタのCrusoe TM5800を搭載し、オプションで802.11bのLANモジュールを備えることができる。主要メーカーのタブレットPCよりもシンプルでスタイリッシュな筐体のデザインが特徴だ。そもそもこのAMtekは、WindowsCEを搭載したWebPADや、子供の教育用に設計されたeBookというマルチメディアデバイスなどを手がけているので、こうしたタブレット型PCのデザインは得意分野なのだ。

すっきりしたデザインのタブレットPC

　興味深かったのは、WindowsCEのWebPADと電話機とキーボードを一体化させた複合デバイス。プロトタイプなのでまだ名もなく、詳細のスペックも未定だが、テレビ電話として使えそうだ。

電話とWindowsCEデバイスがひとつに

Electrovayaの16時間タブレットPC

　パット型の長時間バッテリー「PowerPad」を開発するElectrovayaは、その特許技術をタブレットPCに応用し、なんと16時間もつタブレットPC「Scribbler」を発表した。タブレットPCのバッテリー時間は平均4時間以内なので4倍も長く外に持ち出すことができ「これこそ本当のモビリティだ」と豪語する。しかし2キロ以上ある筐体は重く（NECの最軽量タブレットPCの2倍）、付属キーボードとのアタッチメントはドアの蝶番のような無粋な金具だったりする。ユーザが持ち歩きたいと思うためには、デザイン面で再考の余地がありそうだ。

バッテリーが16時間もつパワフルなタブレットPC「Scribbler」

アイデアや掘り出しデバイスを探すなら韓国ブース

　こうしたIT関連のトレードショウで見逃せないのが韓国企業ブース。韓国IT企業のアイデアにあふれたデバイスはテクノロジーよりもエネルギーを与えてくれる。

　icom systemsの「Notephone」は、電話での通話と同期する手書きペン入力タブレット。通話中にペン入力したメモは通話相手と共有できる（相手にも「Notephone」が必要だが）。入力したデータはそのままFAX送信することもできる。また入力データは、音声の信号とリアルタイムに混合されるので、セキュリティも問題ないそうだ。メモを保存したり、電話番号リストからワンタッチで電話をかけることができるので単体でも便利だろう。近く韓国で発売されるということだが、米国での発売は未定。

電話のそばにあるメモ帳も「Notephone」に代わる

　UnionCommunityの「Marvel」は、子供向けの英語教育デバイスだ。画面のFlash映像を見ながら、英会話に合わせて専用のマイクで英語を発音する。すると独自の発話認識エンジン（Speach Recognirion Engine）が正確な発音かどうかを認識して練習を繰り返させるという仕組みだ。

デザインが楽しい英語教育デバイスの「Marvel」

（山本玲子）

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