同製品は、体長25cmの小型犬と猫を対象としたもので、ブロードバンド環境を利用して外出先のパソコンや携帯電話から、ライブカメラによるペットの映像を観察しながら遠隔操作により餌を与えられるというもの。固定IPアドレスである必要はなく動的IPへの対応が特長となっている。
イメージとしては、従来の自動給餌機と同様の機能を、タイマーではなくインターネットを利用した遠隔操作により実現したもの。餌箱はA、Bと2つ用意されており、2種類の餌を入れることができる。また餌箱Aは600グラムの餌を約20回に、Bは約10回(サンプルの場合)に分けて給餌することができ、少量ずつをライブカメラによる映像を見ながら調整して与えることができる。
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ペットが餌を食べているようす。写真はぬいぐるみでイメージを再現したもの |
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iSeePetの外観図。カメラはフードサーバの上。向かって左側にはウォータータンクが付いていて、ここから水を飲めるようになっている (アルファ・オメガソフトWebサイトより掲載) |
操作は簡単で、iSeePetに餌を入れ、インターネット接続して電源を入れておけば、あとは外出先のパソコンや携帯電話から専用Webサイトにアクセスし、IDとパスワードを入力。マウスのクリック操作により合図のメロディを鳴らしたり、2種類の餌箱から必要量の餌をフードサーバに出すことができる。ライブカメラはフードサーバの上に設置されており、餌を食べるときのペットのようすや、餌の残量を映像で確認することができる。
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パソコンからの操作画面。写真は専用Webページ左下に表示されるライブカメラからの映像と操作ボタンの部分。映像右下には左から、クリックでメロディを鳴らす「Call」、クリックで少量ずつ餌を出す「Food A」「Food B」の3つのボタンが並ぶ |
今回、NTT-MEが提供するサービスは、iSeePet本体のほかルータ、サンダーカット(雷カット)といった必要機器一式、工事費およびメンテナンスをパッケージ提供するもので、利用には初期費用174,800円、月額費用3,900円が必要。費用の内訳は以下のとおりとなっている。
初期費用(174,800円)内訳
何所でもライブASPサービス「iSeePet接続タイプ」初期費用:6,000円
3年保障型「iSeePet」購入代金:118,000円
iSeePet設置工事費:28,000円
ルータAR230E購入代金:20,800円
サンダーカット(雷カット)購入代金:2,000円
※分割払い可
月額費用
何所でもライブASPサービス「iSeePet接続タイプ」利用基本料金:6,000円
アクセス回線(フレッツ・ADSL 1.5M)およびプロバイダ(WAKWAKざんまいADSLファン)を提供するオプションメニューも用意されている。
NTT-MEによると、販売はNTT-MEグループ販売代理店を通じて行い、初年度150セット、3年後800セットの販売数を見込んでいるという。なお、アルファ・オメガソフトではiSeePet単体を、量販店やペットショップを通じて販売し、初年度1,000台、3年後12,000台(NTT-ME提供分も含む)の販売を目指す。なお、NTT-MEでは同サービスの、ペットマンションやITマンション向け提供も視野に入れているという。
同サービスはパソコンのほか、i-mode、ezweb、J-SKYの携帯電話にも対応するが、表示は静止画となる。まずはi-mode 504iシリーズ、251iシリーズでのサービスを11月29日よりスタートし、そのほかの機種については順次対応し、FOMAへの対応も予定されている。
iSeePetの主な仕様は以下のとおり。
技術仕様
CPU:32bitRISC
OS:組込みLinux
フレームレート:30フレーム/秒(最大)
インタフェース: 10Base-T
本体
材質:ABS
サイズ:幅320mm×高さ350mm×奥行き170mm・3kg
餌容量:約600g×2(約3〜4日分)
カメラ
水平・垂直画角:130度
水平可動範囲:70度
垂直可動範囲:可動不可
このところの癒しブームでペット愛好者は増加しており、国内でペットとして飼われている犬は約14万頭に上り、留守家庭でペットを飼うケースも増えつつある。この状況を踏まえた、ITとは無縁の層も対象とした同製品の発売は興味深いものがある。しかし、ロックのない蓋、両面テープで対応する本体の安定性、剥き出しのケーブルなど、実用面で疑問の残る部分もある。また、従来のタイマー式の自動給餌機に比べ非常に高い価格設定となっており、このあたりが今後の課題と言えそうだ。