総務省は、5GHz帯を使用した無線アクセスシステムを、屋外でも利用できるようにすると発表した。情報通信審議会から「5GHz帯無線アクセスシステムの技術的条件」についての答申を受けてのもの。5GHzの周辺帯域は、無線イーサネットプロトコル「IEEE802.11a」で使用されているが、国内では現在、他の通信システムに影響があるとして、屋内のみの利用に制限されている。 今回、屋外利用が開放されるのは、4900〜5000MHzと5030〜5091MHzの帯域で、1チャネルあたり20MHz、合計7チャネルが利用できる。また、1チャネルあたり10MHzあるいは5MHzの狭帯域チャネルも導入可能とする。通信速度はチャネル帯域によって異なり、20MHzのチャネルでは20Mbps以上、10MHzチャネルが10Mbps以上、5MHzチャネルでは5Mbps以上となる。通信距離は、ホットスポットサービスにおいては300m程度、家庭などへのFWAサービスでは、最大3km程度とされている。 基地局の設置には免許が必要となるが、加入者局(エンドユーザ側端末)については免許不要局となる予定で、関係省令が整備されれば、いよいよ無線アクセスが10Mbpsを超える高速アクセスにも利用できるようになる。エンドユーザ向けFWAサービスがFTTHやDSLに対抗できる速度を手に入れる日も、そう遠くはなさそうだ。