見事な構成!韓国ドラマ『涙の女王』1~14話までのエピローグまとめ | RBB TODAY
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見事な構成!韓国ドラマ『涙の女王』1~14話までのエピローグまとめ

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 韓国ドラマ『涙の女王』が全16話中14話まで公開され、いよいよ佳境に入っている。15話は4月27日(土)の23時半頃、最終回16話は28日(日)の23時半頃にそれぞれ配信予定だ。本作はかなり話題性が高い作品なので、最終回配信後はSNSやネットニュースで結末を知ってしまう恐れがある。そのため、この時点で興味を抱いているのならば、今週中に14話まで観ておき、15話・16話をなるべく配信直後に視聴することをオススメする。あと1週間あるので、1日2~3話ずつ視聴すれば間に合うはずだ。

 改めて大まかなあらすじを紹介しよう。物語は、田舎出身の弁護士ペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)と財閥令嬢ホン・ヘイン(キム・ジウォン)の離婚危機から始まる。義実家との深すぎる関わり合いや妻との冷え切った関係に限界を感じたヒョヌはヘインに離婚を切り出そうとするが、ヘインから重大な発表を受けてしまう。さらに同時期、ヘインの大学同期で大物投資家であるユン・ウンソン(パク・ソンフン)がホン家に現れ、良からぬ展開になっていく。本作は、そんな2つの問題解決を軸に、夫婦愛や家族愛などを描いている。この記事では、13話・14話、そして全話最後に展開されるエピローグについて振り返っていきたいと思う。
(以下、ネタバレあり)

■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ&映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X(Twitter):@ymndayo


ペク家とホン家をことごとく不安に陥れるスリ親子


 家長ホン・マンデ会長(キム・ガプス)が亡くなったことで、実家に戻れることになったホン家一同。会長の裏金の隠し部屋を発見するが、愛人モ・スリ(イ・ミスク)に先を越されていた。さらに、スリは明け渡し判決の必要性を主張し、息子ウンソンと共に引き続きホン家の豪邸に居座る。しかし、ホン家もやられっぱなしではない。亡き会長と犬猿の仲だったヘインの伯父ホン・ボムソク(パク・ユニ)が「クイーンズ」の株を買い集めている、という情報を流し、ウンソンに警戒心を持たせ、会長の裏金を使わせる。その証拠を掴めば、横領と背任で刑務所送りにできるからだ。

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 一方ヘインは、ドイツの病院で手術を受けられることに。“これから”ができたため、ヒョヌとの離婚を撤回し、蜜月の日々を過ごす。しかし手術直前。ヒョヌから、副作用として今までの人生の記憶を失う可能性が高いと告げられてしまう。記憶そのものが自分自身である、と手術を拒み、家族からの説得も聞かないヘイン。そこでヒョヌは、“夫を置いて逝くのが惜しい”と思わせる作戦を行ない、見事成功させる。ヘインは自分史を書いてヒョヌに託してから、手術に挑むことにする。

 どんな形にせよヘインが死から免れることにホッとしたのも束の間。ヘインが手術室に入ってからすぐ、ヒョヌは緊急逮捕されてしまう。ウンソンの投資詐欺に加担した不動産仲介業者を殺害した容疑者へと仕立て上げられてしまったのだ。結果、ヘインが目覚めた時、そばにいたのはウンソン。彼は、自身をヘインの恋人だと偽り、ヘインの記憶にあるペク・ヒョヌという名前の人物は、ヘインのことを裏切った元夫でストーカーであり、殺人容疑で逮捕された、と嘘を吹き込む。しかし、初雪を見てなぜか胸が痛くなるヘイン。果たしてヘインの記憶は戻るのかー?

ただの“おまけ”に留まらないエピローグ



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 離婚直前の最悪期を抜け出し、愛が再燃していったヒョヌとヘイン。ヘインは不治の病があるからと完全復縁を拒んでいたが、手術ができることになって2人を隔てるものがなくなる。そこから、副作用の件がヘインに明かされるまでは、視聴者お待ちかねの完全ラブラブ期が描かれた。ヨンドゥリ滞在中の休日は観光スポットへ出かけ、花畑を背景に写真を撮り、2人漕ぎの遊具で遊び、一緒に音楽を聴きながら街を散策。ソウルで2人きりの同棲生活を始めると、お揃いのパジャマを着て、いつでもどこでも体を密着。パン屋での買い物、小学校のグラウンドでのウォーキングなど、何気ない日常も共有し合う。職場でも、ヒョヌがヘインのために雪を降らせるなど、とにかく甘~い日々が繰り広げられた。この時、これまでのエピローグで描かれてきたヘイン視点の物語をヒョヌが知ることになっていく、というのも胸キュンである。

 本作の魅力の一つが、秀逸なエピローグだ。『マーベル・シネマティック・ユニバース』の映画よろしく、終わってからもお楽しみが続くので、なんだか得した気分になれる。本作の脚本家パク・ジウンが手がけた前作『愛の不時着』もエピローグが印象的な作品で、逆にエピローグがなかった回は少しだけ残念な気持ちを抱いた記憶がある。だが、今回は全ての回がエピローグ付き! ただの特典映像というわけでなく、本編と密接にリンクしていることが多く、その構成の上手さに唸ってしまう。ということで、改めて、これまでのエピローグを整理してみた。

【第1話】場面:ヒョヌとヘインの結婚式
 新郎新婦それぞれ個別にインタビュー動画の撮影をしており、「10年後の自分に一言」という質問に答えることになった2人。ヒョヌは、「幸せだよな。離婚してないだろ。子供は1人? 2人? いなくてもいい。僕はヘインがいれば十分だ。ただ、彼女をどれだけ愛しているか覚えていてほしい。泣かせるなよ。幸せに」とはにかむ。ヘインは、「なぜそんなことを? 10年後は忙しいから見ないでしょ。10年後のヘインへ。見ないと思うけど見てるのなら、なぜ見るの? 早く消して」とヘイン節炸裂で、「元気だろうからわざわざ聞かない。変わらず美人で一番イケてる」と自信たっぷり。そして最後に、「もちろんヒョヌとも一緒でしょ」と付け加え、澄まし顔から笑顔に。お互い惚れ込んでいる様子が分かるシーンだった。

【第2話】場面:結婚前、ヒョヌが家族にヘインとの交際を相談した時
 この場面では、ヒョヌの姉ミソン、兄ヒョンテ、父ドゥグァンが、ヘインとの交際に苦言を呈するところから始まる。「無職はダメ」「共働きでないとソウルに家も買えない」「貧しすぎるのは困る」と、現実的な側面から反対するが、ヒョヌは気持ちを抑えきれず、「初めての感情だ。彼女が気になる。服には穴が開いているし、何かを足で蹴ってないか罵られてないか心配になる。うまい物を食うと彼女が思い浮かぶ。僕は彼女に心を奪われた。死にそう」と笑う。そこに現れたのが、ヒョヌの母ボンエ。「結婚しなさい。死にそうなんでしょ。死ぬよりマシよ」とバシッと決め、他の家族はぐうの音も出なくなる。ヒョヌの熱き恋心に加え、ボンエの器の大きさが垣間見られるシーンだった。

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【第3話】場面:ヒョヌとヘインの新婚旅行/現在
 新婚旅行のドイツで、“心配のない宮殿”と言われるサンスーシ宮殿を訪れた2人。短編小説『幸福な王子』で、王子がこの宮殿に住んでいたという設定だったことから、話題は同作のテーマへと移る。ヘインは、“家を出たら苦労する”という感想を持ったと話し、2人は笑い合って手を繋ぐ。次に描かれるのは、ヘインが社員の家族のためのがん治療基金の創設を命じる場面だ。死を目前にしたヘインは、王子と同じく自己犠牲心を発揮する。冷酷だと思われがちなヘインが、実は優しい人物と分かるシーンであった。また、サンスーシ宮殿は、第6話にも登場。ヘインが単独でドイツへ行き、手術を受けられないという結果に打ちひしがれた時に訪れる場所となる。

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【第4話】場面:2006年、ヒョヌとヘインの高校時代
 ソウルのハニル外国語高校に転校したヒョヌと、そのタイミングでアメリカ留学のため退学したヘイン。学校に向かう彼と学校を後にする彼女は校庭で初対面を果たすことになる。同級生からの心ない言葉に傷ついた上、グラウンドで転んで膝を怪我してしまったヘイン。まさに“泣きっ面に蜂”状態の時、絆創膏を差し出して優しく接したのがヒョヌだった。思わずポタポタ涙を落としてしまったヘインだが、強がってその場をさっと立ち去る。その際に落としたMP3プレイヤーが、4話後半、ヘインがヒョヌの実家の机の引き出しで見つけたものであった。

【第5話】場面:ヒョヌの実家から2人一緒に帰宅する時
 ヒョヌの父ドゥグァンの里長選を応援するため、突如ヨンドゥリに出向いていたヘイン。慌ててヒョヌも帰宅するがヘインの姿はない。病状が進み、迷子で見つかったヘインはあちこちを怪我していた。ヒョヌが手の傷の手当をするが、ヘインは自分の生命線が短いことにイラついていた。そして実家からの帰り道、そのやりとりを思い出したヒョヌが、眠るヘインの手のひらに生命線を書き足していた、というのがこのエピローグ。5話前半、ヘインが手を洗う時に不思議に思っていた手のひらの汚れの謎がここで回収されたのである。

【第6話】場面:ヒョヌがヘインに告白した後
 4年前、クリスマスシーズンの雨降りの日。迎えの車を待つヘインを見て、傘がないと勘違いし、折り畳み傘を渡すと共に告白したヒョヌ。その後のヘインの様子が、このエピローグで描かれる。車内からヒョヌがバス停にいる姿を確認し、微笑むヘイン。以降の退勤時間、ヘインはヒョヌの姿を見るために遠回りして帰っていた。6話半ば、ヒョヌに初恋の経験を話して嫉妬させていたヘインだが、その初恋相手はヒョヌだったことがここで分かる。

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【第7話】場面:ヒョヌとヘインの職場デート
 離婚を切り出そうとしていたことが発覚し、ヘインはヒョヌを監視。その際に、ヒョヌが「クイーンズ百貨店」の屋上庭園で“ヨンスク”なる人物の名前を呼んでいたことが発覚する。実はこの“ヨンスク”は、ヘインが創造した生き物。4年前、屋上庭園にタヌキが住んでいるとヒョヌに嘘をついたのだ。ヒョヌがいかにヘインを信頼しているかが窺える。

【第8話】場面:ヘインがヒョヌの本心を聞いた後
 監視結果を踏まえ、ヒョヌの行きつけの場所を回ることにしたヘイン。しかし、食堂で食事をしていると、壁を隔てた近くの席にヒョヌとその友人キム・ヤンギ(ムン・テユ)が座ってしまい、2人の会話が聞こえてしまう。「僕はヘインのそばにいたかっただけ」と話しているのを聞いた、その後のヘインの様子がここで明かされる。ひと気のなくなった店内で、焼酎を飲みながら泣くヘイン。「私もそばにいたい」「生きていたい」と見知らぬ店員相手に本心をこぼしてしまう。

【第9話】場面:ヘインがヒョヌにMP3の所有者を問い詰めた後
 すでに自分のMP3だと気づいているヘインが、持ち主はどんな人だったのかとヒョヌに迫った後日。ヒョヌは、ヤンギに「バレるところだった」とこぼす。その時の会話から、ヒョヌがヘインに一目惚れし、高校時代、MP3を片手に彼女を探しまくっていたことが発覚する。

【第10話】場面:4年前の会社の飲み会/現在
 ヘインがまだインターンをしていた頃。チームの飲み会で上司からラブショット(※腕を絡ませてショット酒を飲む、密着度の高い乾杯方法)を迫られて困っていたヘインをヒョヌが助ける。酔った状態で男気を見せるヒョヌの姿に、上司はドギマギ、他の女性社員も色めき立ち、ヘインはイライラ。帰り道、酔うと可愛いから他所ではやるな、とヒョヌに釘を刺していた。1話目、ヒョヌが「ヘインから、酔うと可愛いと言われた」と泣いていたヒョヌだが、そのやり取りはこの時の出来事を指していたことが分かる。

 場面変わり、現在。ヒョヌがウンソンからの圧力に一人耐えていたことを知り、「関係ないあなたのことまで心配できない」「何もするな」とヘイン。またしても突き放されたヒョヌは、その晩、兄と酒を酌み交わす。怪我の手当をしてくれるのに拒絶するヘインの気持ちが分からないと嘆き、葉っぱ占いをしながら帰路に就くことに。そして、ヘインの使う部屋の前まで来た時、手元に残ったのは“好き”の葉っぱ。「僕は違うのに(=“好き”ではない)」「僕は愛してる」と呟くヒョヌ。ヘインは、気配を感じて扉の向こう側で聞いていた……ともどかしさマックスのエピローグである。10話半ば、ヒョヌの母が道端から家の中へと続く葉っぱの道に首を傾げていた描写の伏線回収シーンでもある。

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【第11話】場面:ヘインの余命公表後
 「クイーンズ」の記者会見でヘインが余命を公表した後。友人ヤンギはヒョヌに、ネットの掲示板での誹謗中傷が酷いと話す。世間はヒョヌに対して「財産狙い」「詐欺師」「男前は信頼できない」と散々な言いようだったが、当の本人は笑顔でお構いなし。しかし、ヤンギがヘインへの誹謗中傷を読み上げ始めると、様子が一変。目つきが変わり、「ただじゃおかない」と激怒する。ヒョヌのヘイン愛が炸裂した一幕であった。

【第12話】場面:ヒョヌの少年時代
 ヒョヌの母ボンエが昔のアルバムを開いていると、ヘインの母ソンファがやってきて、一緒にヒョヌの少年時代の写真を眺めることに。そこでヒョヌが子供海兵隊に所属していたことが分かるのだが、ソンファは見覚えのある海が写っていることに気づく。12話本編ではそこまでだったが、このエピローグにて、溺れるヘインを助けたのがヒョヌだったことが明確となる。今回のヘインの命の危機も、ヒョヌが救うという暗示にもなっていると言えるだろう。

【第13話】場面:2度目の新婚生活
 ヘインにとっては幸せ真っ只中だったこの時期。副作用のことを秘密に一人辛い気持ちを抱えていたヒョヌが、夜中こっそりと録画したのが、ヘインが術後目覚めた時用のメッセージ動画。「以前の自分を知りたいよな。思い出せなくて悲しいだろうけど、心配しないで。僕が全部覚えている。知っていることを全部話してあげる」と励ましの言葉を言いながらも泣き出してしまうヒョヌ。その後も涙ながら、「君が僕とした約束を覚えてなくても、僕は君のそばにいると約束したんだ。初雪も一緒に見て、毎日なんてことない日常を共にしながら君のガラス瓶に良い記憶をもう一度集めていく」と、愛を伝える。15話もしくは16話、ヘインがこの動画を見る場面がきっと出てくるはず。感涙必至だろう。

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【第14話】場面:ヘインの手術前夜
 学生時代に「暗記王」と呼ばれていたヒョヌに、暗記のコツを聞くヘイン。大事なものを選んで繰り返し呟くことで思い出すことができる、と答えるヒョヌ。ヘインは手術直前、麻酔にかけられながら「ペク・ヒョヌ」と呟くのであった。残る15話・16話は、ヘインの“無意識の記憶”が重要な鍵になってくることは間違いない。頑張れ、ヘイン。最高のハッピーエンドが訪れることを、心から祈っている。
《山根由佳》
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